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「そう…」


腑に落ちない杉本の顔だ。


「誰だか知りたいのか?」


「ううん。知りたくない」


もう誰だとしても、その人にはその人の家族が居るはずだし、私なんかが名乗り出た所で、半分しか血の繋がりはないし…

迷惑だったら…


と思うけれど、荻野先輩の言い方だと、探して欲しいって頼まれたと、言っていたのだから、迷惑ではないのかも…

荻野先輩は、私の事を伝えるつもりなのかな…

肝心な所聞きそびれた。


「で、荻野はその相手にお前の事伝えるって?」


たまに怖くなる杉本に心を読まれているんじゃないかと思うくらい、考えていた事を言われるから…


「その顔だと、聞いてこなかったって事か…」


御名答です!!

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