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「ごめん」


「それは何に対しての"ごめん"ですか…」


「えっ?…昼間のこれ…」


荻野先輩はポケットの中からネックレスを出してきて、私に見せた。


「これは俺のじゃないんだ…」


「えっ?じゃあ、これは…」


「君の下駄箱に手紙をいれたのは俺だよ…」


「何で?何でそんな事を…」


申し訳なさそうにしている様にも思えるけれど、何処か何かに苛立っている様にも思える。


荻野先輩は誰に対してそれを…


私になの?

苛立ちは私にたいしてなの?


「ある人から渡されたんだ…妹が同じ物を持っているかもしれないからと、その子を探して欲しいって…」

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