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ぐるっと、館内を回ったが誰にも会わずにカウンターまで戻ってくると、入って来た時には誰もいなかったのに、男の人が一人椅子に座って、本を読んでいた。


少し離れた場所から私の視線に気がついたのか


「君は一年生かな?今日は図書館は閉館してるんだけど、何か用?」


「あっ、すみませんでした。直ぐに出ます」


直ぐ様ドアに向かって歩き出すが


「大丈夫だよ、そんなに慌てなくても、追い出したりしないから、ね!」


先輩である事は間違いはないのだろうけれど、なんとも言えないオーラが漂っている。

しかもイケメン、な上に王子様みたい…

少し茶色かかった髪はサラサラで、目にかかってはいるけれど、眼鏡をしているので、気にならないのか…

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