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そもそも、ここへ来る事になったのは、下駄箱に手紙が入っていたからだ。


女性とも男性ともとれる達筆な字で、こう書かれていた。


『君のお兄さんを知っています。知りたかったら旧館、図書館へ放課後来て下さい。』


それだけの文だったけれど、私に兄が居る事を知っている人物そして、その兄に私は会った事が無い事を知っている人物。あてずっぽで書くには、違うような気がして…

的を得ているのだから…


ドアを開けて中へ入ると、静まり返った室内。

人が居る気配はしない。


委員会での当番も今日は無いらしく、受付カウンターにも、誰もいなかった。


図書館内をぐるりと回ってみようと思い、椅子には座らずに、壁沿いからぐるっと回ることにした。

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