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何故視線を外さない?

返事をするでもなく、ただ、じっと見つめられている。


「あっ」


何かを思い出した様に、バタバタと片付けて、何も言わずにその場を去って行った。


「なんだあれ…」


着ていたブレザーから学年色のエンブレムだって事には気がついたが…


「同級生かよ…」


ふと見るとベンチの下にハンドタオルが落ちている、彼女のだろ…

夜にでも渡せば良いかと、そんな軽い気持ちで拾ったが、YUIと名前が入っている。


「ユイって名前なんだ…」


椿は、子供の頃近所に住んでいたユイをその時思い出していた。


「ユイなにしてんだろうな…」


まさか、既に再会しているとは思うはずもない。


寮の部屋に戻った椿は、新入生名簿で名前を確認している。

YUI…

300人程の学年で男女比半々だが、YUIとおぼしき名前の中に、記憶の中に残されている名前を見つけた。


「まじかよ…同姓同名って事もあるし…」

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