6
知らないと言うのは都合が良い言い訳だと後で思った椿だが、この時の椿は言い訳でも何でもない。
ただ、視界には確実に入る距離に居るのに、一向に椿に気が付く様子も素振りもないのだから…
どんだけ、見えてないんだ?
そう、思わざるえなかったが、彼女が知らない存ぜぬな訳がなかった。
藤崎椿。
彼の名前を新入生名簿でチェック済みである。
彼にとって特別ではなかったかも知れない女の子にとっては彼は特別だったのだから…
浅見ユイ。
小学校3年生で東京に越してきてから、長くて2年同じ場所に居られれば良かった。父の仕事の関係で、短い時には半年で引っ越しが続いた。
今両親は静岡に居る。学校も転々とし、友達と呼べる人は椿同様居なかった。
まともに部活動すら出来なかった中学校生活が一番辛かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます