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学生寮の食堂で、決まって同じ場所に座り、独り窓の外を眺めている女の子を椿は視界に入れていた。
椿は、窓側の席で女子寮の方を向いて座っているが、彼女との間に誰も居ない事が多いので、必然と視界の先には彼女が居る事が多い。
眼鏡をかけてはいるが、それでも見えなさそうな仕草をする。
大人しいと言うよりは…自ら他人を寄せ付けないオーラをかもし出している。
暫くは寮の食堂でしか会った事はなかったが、ある日の昼休み、落ち着ける場所を探して購買で買ったパンと飲み物を手に、特別教室のある棟へ来ていた。
特別教室のある棟と一般教室のある棟を繋いでいる、外通路からは、学校の近くの国立公園の木々が良く見える。
その場所は、雨では来れないけれど、初夏の季節ならまだ、気持ちがいい。
先日見つけた場所に向かうと、既に先客がいて、その先客は、寮の食堂で見るあの彼女だった。
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