第72話 理由
ユキヒロは「中入っていいか?」とドアをノックした。
カズキは「あぁ」と相変わらず冷たい返事を返した。
ユキヒロがガタンとドアを閉めて、ベッドに座った。
カズキが「何だよ」とユキヒロを睨んでいた。
ユキヒロが「おい、過去に何か有ったのか?俺に話をしてくれないか?」とカズキに迫った。
ユキヒロの返事にカズキが「良いよな?父ちゃんは仕事をして居れば良いのだから」と少し寂しそうな顔をして居た。
ユキヒロが「カズキ、やっぱり何か有ったのか?」とカズキを心配していた。
カズキが「そうさ。僕の家族が授業参観日に来ないのも、僕の母さんが亡くなった事も、クラスメイトに馬鹿にされていた事が辛かった」と初めて辛い心境をユキヒロに伝えた。
ユキヒロが「ごめんな。何も分かってやれなくて」と何もカズキの気持ちを知らなかった自分に嫌気がさした。
カズキが「だから嫌だった。僕の母さんが亡くなった僕を憐れむ目、虐める目が僕は嫌だった」とユキヒロに今までの事を話した。
ユキヒロがカズキを「大丈夫。今なら踏み外した道をやり直して行けるはずだから安心してくれ」と笑顔で抱きしめた。
そのユキヒロの腕の中で安心したのか、カズキは眠っていた。
カズキは、その後、金髪の髪を黒髪に戻して、また新たな気持ちでバイトを始めた。
ユキムラサキと言うお店で、ホストとして働いて掃除をして、毎日を地道に活動して少しでもお金になる様に率先した。
そんなカズキは、高校を無事卒業して、高校の単位を取って仕事を探していた。
そんな矢先、システナリア社の広告を電柱で見つけて、カズキはシステナリア社に就職をしようと心に決めたのだった。
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