第64話    三角関係

マナエが「ミミナ、何をして居るの?」と尋ねると、ミミナは「えぇ?あ、ごめん。聞いて居なかったわ」とマナエに返事を返した。

マナエは、ミミナがユウトの事を見ているのが分かって「気になって居るのかな?」と思って居た。

マナエが急に「ミミナってユウトの事を好きなの?」とそれとなく尋ねた。

するとミミナは「私、ユウト君とは付き合って居ないよ」と答えた。

マナエが「そうなんだ」と何故か安堵した表情を浮かべた。

だが、マナエはまだミミナとユウトの関係を知らないで居た。

「ミミナ・・・」と名前を呼んでも応答しない、ミミナを不思議に思って居た。

ミミナの横にはユウトが居て「一緒に帰ろう」と手を繋ぎ歩いて居るのが見えた。

マナエは「ミミナはあんなにユウトの事を好きじゃないって言って居たのにちゃっかり付き合って居て、私もユウトの事を良いなって思って居たのに」とミミナと仲良さそうにしているユウト達を見てショックが隠し切れなかった。

マナエは「ユウトはミミナの時だけ、笑顔を見せてあんなに良い処が有るんだ。全然知らなかった」とユウトの事を見て悲しく思って居た。

マナエは「ミミナがユウトを見ていて取られちゃったし、ユウトの知らない一面を見せて居るってことは両想いなんだ」と言う事に気付いた。

マナエは「ユウトの嬉しそうなあんな笑顔を見た事が無かった」と複雑な気持ちで居た。

その日は雨で、ミミナとユウトは一つの傘に入って2人で入って行った。

そんな雨の中、一人になったマナエは傘を忘れて、ずぶ濡れのままマナエに傘を差し出したのはマナトだった。

マナトが「風邪を引くから、傘をさして行けよ」とマナエに傘を渡した。

マナエは「あ・・・」と言い掛けようとした瞬間、マナトは雨の中急いで走って帰って行った。

マナエは目に涙を浮かべて、ユウトたちを見ていた。

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