第59話   ご依頼

ユウイチが資料を見て居ると、その中から「腕時計を探して頂けませんか?」と言うトオルさんからの依頼を見つけた。

ユウイチは「これだ」とトオルからの依頼のチラシを持って、コピー機でカラー印刷をして皆に配るチラシを作った。

ユウイチがチラシに書いて有る番号に電話を掛けた。

ユウイチが電話を掛けると「こちら、システナリア社の内部心理科のユウイチと申します。トオル様ですね?」と軽快にトオルに声を掛けた。

トオルが「はい、そうです。実は腕時計と携帯も忘れてしまって、何処を探しても見つからないのです」と困っている様子だった。

ユウイチが「分かりました。携帯は何という機種で、腕時計はどちらの会社の物になりますか?」とトオルに尋ねた。

トオルは「A715のグリーグルの黒で、それから腕時計はジックーZICK-のシルバーになります」とユウイチに時計と携帯の情報を教えた。

ユウイチが「分かりました。それならば、こちらの情報をもとに画像をチラシに載せて、近くの人に聞こうと思います」とトオルに話し掛けた。

トオルが「ありがとうございます。良い知らせを期待して待って居ます」とユウイチとの電話を切った。

そうしてユウイチは、会社から車で近くにある西宮村まで来て「こちらで携帯と腕時計を見ませんでしたか?」と尋ねると、近くの人が「いや、見てないね?もしかしたら、落とし物で届けられているかもしれない」と言う話から、西宮の駅で駅員さんに聞くと「あぁ、この携帯なら西宮の北口の駅員に聞けば確実だよ」とユウイチの返事に答えた。

西宮の北口の駅員さんから「これだよ」と渡されたのが、そのトオルが落とした携帯と同じものだった。

ユウイチは「ありがとうございます。助かりました」と駅員さんに声を掛けた。

時を同じくして、腕時計も「トイレの方に腕時計が落ちて居たから落とし物として届けられていますよ」と駅のサービスカウンターの方を指さした。

駅のサービスカウンターに向かい、「この腕時計を探しています。今ありますか?」とユウイチはサービスカウンターに居る駅員に尋ねた。

駅員が「少々お待ちください。こちらでお間違いないでしょうか?」とユウイチの目の前にジックーZICK-のシルバーの腕時計を出した。

ユウイチが「こちらで間違いないです。親切に届けて下さった方が居て良かったです。ありがとうございます」とお辞儀をして去って行った。

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