第55話 チナツ
リョウタが「ただいま」と帰って来ると、マリアおばあちゃんが「こんにちは。今日はチナツちゃんが元気かなと思って遊びに来てみたの?」と笑顔でリョウタに話し掛けた。
リョウタは「あ。どうも」と会釈をマリアにして椅子に座った。
カゲハが「どうしてもお母さんが孫の顔を見たいって言うものだから」とリョウタにクスッと笑顔を見せた。
チナツが「ば、ば、ば」と発言して居ると、マリアが「おばあちゃんの事かな?」と笑顔で尋ねた。
マリアはチナツを上下に揺らし、あやしていた。
すごく嬉しそうな顔をして、チナツは笑って居た。
カゲハが「良いね。親子だね」とチナツとマリアを見て微笑んでいた。
リョウタは「あぁ、そうだな」とカゲハに返事を返して、リョウタにビールを一本渡した。マリアが「そろそろ帰るね。ありがとう。カゲハ」と笑顔でさようならをした。
カゲハもリョウタも玄関からマリアが見えなくなるまで手を振っていた。
チナツが時折「ママ、ママ」とカゲハを呼んで、カゲハが「ほら、こっちにおいで」と手を叩くとよちよち歩きでチナツが笑顔で歩いて来ていた。
カゲハが「チナツも1日1日成長をしているから、今度公園デビューさせようかしら?」と喜んで居た。
リョウタがカゲハに「歩くのはまだ早くないか?」とカゲハに尋ねた。
カゲハが「それがね?私が出掛けて帰って来た頃には、ベッドの柱に手を付いて歩いて来たのよ」とリョウタにチナツの話を始めた。
リョウタが「それは凄いな。今度公園に行って見ると良いな」と嬉しそうに我が子の成長を喜んで居た。
公園に行ってカゲハの横に手を置いて歩くが、何処かに足をつまずいてケガをして、おでこに消毒をして、絆創膏を張る毎日だった。
カゲハも「大丈夫よ。これから徐々に歩ける様になって来るからね」とチナツの事を心の何処かで励ましていた。
徐々に大きくなってきて、小学生になると自転車に乗る練習をした。
リョウタが「じゃ、自転車に乗る練習をしよう」と話をして、チナツは「うん、頑張る」とはいった物の自転車でこけていた。
チナツが「今日も自転車でこけちゃった。何時になったら乗れるようになるんだろう」と怖気づいていた。
リョウタは「最初は皆、そんなもんだ。しょうがないさ」とチナツを励ましていた。
チナツは「はーい」と少し呆れたように返事を返した。
チナツは自転車を押しながら、夕方の夕日に染められて、リョウタと一緒に家へと帰って行った。
カゲハが「ご飯よ」と外から家の前で手招きをしてチナツとリョウタを出迎えた。
リョウタとチナツは手を洗い、カゲハと一緒に夕飯を食べて、片づけを背伸びしながら食べた食器をチナツが洗って居た。
そしてカゲハから「いつも、ありがとうね」と頭を撫でられて嬉しそうにして居た。
そんな思い出がくすぐったいチナツは、思い出し笑いをして居た。
カゲハが「何?急に笑い出して気持ち悪いわね」とチナツの鼻を人差し指で突っついた。
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