第54話   オルゴール

リョウタは「このオルゴールを見掛けませんでしたか?」と近所を歩き回って、オルゴールを探していた。

近くの人が「このオルゴールなら、見掛けたよ。確か、小さな女の子が面白がって持って行ったよ」と話をして居た。

女の子は自分の家でオルゴールを聞いていたが、ピンポンとチャイムが鳴って女の子はヨシコと言う名前だった。

リョウタが「そこに在るオルゴールは、何処で拾ったの?」とヨシコに玄関から尋ねた。

ヨシコは「オルゴールは骨董屋で見つけて、500円で買ったの」とリョウタに返事を返した。

リョウタがすかさず、「そのオルゴールは、持ち主が居てね?今返して欲しいの」とヨシコに頼んだ。

ヨシコが「これ、オルゴール」と話をして、玄関を開けてリョウタにオルゴールを返した。

リョウタが「ありがとう。ヨシコちゃん。代わりにこれ上げる」とキラキラしたおもちゃの指輪をヨシコに渡した。

ヨシコが「ありがとう。お兄ちゃん」と嬉しそうにして居た。

リョウタが「リョウコさん。オルゴールが見つかりましたよ」とリョウコに電話を掛けた。

リョウコが「ありがとうございます。これは生前父が亡くなった時に、プレゼントをしてくれたオルゴールなので、見つかって良かったです」と嬉しそうにして居た。

そんなリョウタが「もし良ければ、お時間があれば、このオルゴールを届けに行きたいのですが、今お時間よろしいでしょうか?」とリョウコに尋ねた。

リョウコが「大丈夫ですよ。もし良ければ、こちらでも話を伺いたいです」とリョウタに声を掛けた。

リョウタの荷物と、紙袋に入れたオルゴールを持って車を走らせた。

ブルルと車を走らせて、リョウタはリョウコの住所を教えて貰い、リョウコの家に車を止めた。

リョウコが家の門から出て来て「本日は、オルゴールを見つけて下さり、ありがとうございました」と丁寧にお辞儀をして居た。

リョウタが「このオルゴールは、ある女の子でヨシコちゃんが骨董市で売られている所を500円で買って大切にして居たそうです」と話をしてリョウコにオルゴールを渡した。

リョウコは嬉しそうにオルゴールを見て、我が子が帰って来たかのように喜んで居た。

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