第52話 カゲハの恋
カゲハは「おはよう。お父さん、お母さん」とミツヒロやマリアに挨拶をした。
ミツヒロが「カゲハ、最近お父さんは、何とシステナリア社の依頼が一杯来るようになってね。凄いだろう」と自慢話をして居た。
カゲハが「そう。それは良かったわね」と何だか疲れた様にぐったりしている様子だった。
マリアが「最近、カゲハの様子がおかしいのよ」とカゲハの様子を見てミツヒロに話をした。
ミツヒロが「何か有ったのか?」と尋ねると、カゲハは「何も無いけどね」と中々返事に答えようとしなかった。
朝、カゲハが学校に行くと蝶々を探しに行って、その蝶々を花が咲いている広い野原で蝶々を追いかけまわした。
その野原が暖かくて、気持ちが良いのは何故だろうと野原で寝て居ると、そこにはキヨタが居て腕の中で抱き合って居た。
カゲハは「ええ?どうして?」と思って居ると、キヨタもカゲハと同じく寝て居る様だった。
ユウミが「キヨタ君」と名前を呼ばれて、キヨタが「ん?何だ。ユウミか?うるさいな」と嫌がって居るような様子を見せた。
ユウミが「もう、そんなに寝たいなら、勝手に寝て居れば良いわ」と怒って行ってしまった。
カゲハはユウミが釣り目になりながら帰って行く所を見て「怖い。女って怖い」と心の中で思って居た。
カゲハは、寝ていたキヨタが起きたのでそれとなく聞いて見た。
カゲハは「あのさ。あのユウミさんとはどんなご関係なんですか?」と尋ねると、キヨタが「あいつは、俺の幼馴染で、うるさいから嫌いなんだ。気にしないでくれ」とカゲハに声を掛けた。
カゲハが「そうなんだ。それなら良かった」とキヨタとユウミの関係を聞いて気が抜けたのか安心していた。
キヨタが「で?僕に何か話があるの?」と尋ねられて、カゲハは「あのね?私、キヨタ君の事を好きなの」とストレートに伝えた。
キヨタは飲んでいる飲み物を口から噴き出して「ぷはっ、そうか。その気持ちは受け取っておくよ。ありがとう」と発言し、それっきりキヨタはカゲハの前に現れる事も無かった。
ある日、キヨタを見掛けたのは、雨の降る日で昨日の事だった。
キヨタは、あのユウミと親しげに話しをして居るのが見えて、カゲハはショックで涙を流していた。
そしてカゲハは失恋の痛手を心に負ったのだった。
マリアが「最近、元気が無いけど失恋でもしたの?」とカゲハに尋ねた。
カゲハは「だったら何?」と涙目で赤い目をして、マリアを睨んだ。
マリアが「カゲハなら大丈夫。きっとまた良い人が見つかるわ」とカゲハを励ましていた。
カゲハは「そうかな?それなら良いけどね」とマリアに返事を返すと、マリアが「そうよ。だから元気を出してね」とカゲハの背中を押した。
そして、カゲハは蝶々が好きなリョウタと一緒になって、2人は幸せになっていった。
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