第41話 ヤヨイ
チサが「ヤヨイ。今から出掛けて来るけど一緒に行く?」とヤヨイに声を掛けた。
ヤヨイが「うん、行く」とチサに返事を返した。
タクヤに「今から行って来るから、留守番頼むわね」とチサが声を掛け、家を出て行った。
ヤヨイが「ねーねー、お母さん。私最近やりたいことが見つからないの?」と寂しそうに話しをして居た。
チサが「そんな焦らなくても良いのよ。やりたい事なんて皆それぞれ違うから、良いのよ。ゆっくりで」とヤヨイの返事に答えた。
チサの返事にヤヨイが「そうだよね?ありがとう。お母さん」と話し掛けた。
ヤヨイは突然、「あのさ。ハナの部屋見た事ある?」と話題を変えて来た。
チサは「いや、見た事は無いけど、ハナの部屋ってそんなに凄いの?」とヤヨイに驚いて聞いていた。
ヤヨイは「それがね?ハナの部屋は、模型やら標本でいっぱいで、もはや目のやり場に困るほどなの」と話を始めた。
チサが「あら?ハナらしいわね。あの子生き物が好きだからね」とクスッと笑って居た。
その後、買い物を済ませ、ヤヨイとチサが家に帰って来て居た。
チサが「ただいま」とタクヤに挨拶をすると、玄関からスリッパをはいて台所へ向かった。
タクヤが「おぉ、おかえり」とチサに顔を向けてソファで寝ていた。
タクヤは、急いで髪の毛を溶かそうとしたが、整えることが出来ずヤヨイが「髪の毛を今から溶かしてあげるね」とくしを手に持って髪の毛を溶かしてあげた。
タクヤが「サンキュー。ヤヨイ。助かるよ」と嬉しそうに話をして居た。
ヤヨイは美容に興味があり、ネイルや髪の毛を切ったり、マッサージをしたり、それはもうプロ級並みの腕前だった。
タクヤの手を揉んで、マッサージが終わると、気持ち良かったのか床で横になって居た。
チュンチュンと言う鳥の鳴き声が外から、綺麗に聞こえて来た。
ヤヨイは、スウスウと寝て居ると、その後、ハナが来て「ただいま」と思いっきり玄関のドアを開けた。
チサが「こら、そんなに思いっきりドアを開けたらお姉ちゃんが起きちゃうでしょう?」とヤヨイを気遣い、ハナに注意をした。
ハナは「はいはい、分かりましたよ」とチサの話を聞き流していた。
チサが「で?今日はどんなものを持って来たの?」とハナに声を掛けると、「チュウチュウ」と泣く、灰色のネズミがおりに入って出て来た。
チサが「きゃー、ネズミ。どうする気なのそれ?」とハナに聞いた。
ハナが「これ?標本にするの。しかもネズミを殺して」と楽しそうに話をして居た。
チサが「そんな事をよく出来るわね?私だったらやらないわ」とハナのやる事に怯えていた。
そこへヤヨイが起きて来て「ん?おかえり。ハナ。」と眼を擦りながら起きて来た。
ハナも「ただいま。お姉ちゃん。」と返事を返して、自室にこもり「よし、これで、標本が出来るぞ」と意気込んでいた。
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