第33話 歩いていたら
サユリが「あれ?あの子何処に行ったのかしら?」とチサを探している姿を見て、ショウタが「どうした?」と不思議そうに声を掛けた。
サユリが「チサが居ないの」とショウタに悲しそうに話し掛けた。
ショウタが「チサ、何処に居るんだ?」と大きな声で辺りを見回してみたが、何処にも居ない。
チサが「此処だよ」と下に顔を向けると、通路の外に落ちていた。
ショウタが「このロープを洋服の胴回りに付けて、こっちでロープを引っ張るから頑張って耐えろよ」とショウタとサユリは二人でチサを通路の外から見事引き上げた。
チサが「はぁ、はぁ。助かったよ」と息を上げて、通路まで引き上げて貰い安堵していた。
ショウタがチサに対して「目を離したらこれだから困るよ」とムキになって右手をグーにして殴ろうとして居た。
チサが「雨がやんで蝶々が飛んでいたから、追いかけようとして下に落ちたの」と必死になって話をして居た。
サユリが「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。こんな事も有るのだから、此処でケンカをしてもしょうがないわ」とショウタとチサの仲裁に入った。
ショウタが「でも、そろそろ歩いて居れば先の方で光が見えたから、少なからずとも道路に着いて家はもうすぐだと思う」とサユリとチサに話をすると眼を輝かせて喜んで居た。
その先まで、時間もかからず歩く道がどんどん見えて来て、「良かった」と安心していた。
チサは「ありがとう。こう昇って居ると辛いけど、こんなに達成感を感じた事は無かったわ」と意外な感想がチサから飛び出して来た。
ショウタが「そうだろう?もう弱音なんか吐かないで真剣に取り組めば達成感を感じられるものだ」とチサに何かを真剣に取り組む素晴らしさを教えた。
サユリも「色々有ったけど、皆で山を登って楽しかったわ」とショウタに笑顔で答えた。
ショウタが「皆に喜んで貰えて良かった」と嬉しそうな顔をした。
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