第9話   サナギ 

サナギは「もう、依頼人が居ないと言う事で、言葉にしなくても、最終章はどんな物語になって行くのだろうか?」

僕、サナギが主人公の物語が今始まる。



朱美が「サナギさん、サナギさん。寝ていたらダメじゃないの?」とサナギを起こしていた。

サナギが「僕が寝て居る間に、何で印刷物が真っ二つに割れて居るんだ。」と頭を抱えて呆れていた。

サナギは、ペコペコして社長や課長に頭を下げては本音を他人に言えない人であった。

朱美は「あれじゃ、駄目ね。」とサナギを見て心の中で想っていた。

サナギが「あー、何でいつも僕はこうなのだろう?」とショックを受けて居ると、朱美が「はい、コーヒーを飲んだら?」とコップを渡した。

サナギが「ゴクゴクゴク。ぷはー。」とコーヒーを一気に飲んだ。

屋上にある、朽ち果てたベンチに足を組んで座る。

朱美が「で?社長や課長に頭ペコペコしちゃってカッコ悪い事。こんなんで仕事が出来るの?」とサナギを横目に見て話し掛けた。

サナギが「僕だって、仕事が見つからなくて、今更どの仕事も僕に合って居るとは思えない。」と更にネガティブになって行くばかりだった。

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