第6話

 そんな“前世の私”は、小説を読むのが好きだった。


 小説っていってもかしこまった難しいものではなくて、スマホとかパソコンとかでお手軽に読めちゃう所謂web小説。


 その中でも恋愛ものが好きで、“前世の私”はある小説にドハマりしてた。


 頭に靄がかかったように、タイトルは思い出せないんだけど、内容はざっくりとならおぼえてる。



 簡単に説明すれば、心を閉ざした少女が不良少年どもに出会って徐々に心を開いていき、恋に落ちたり友情を深めたりする話。


 でも何の障害もないわけではなくて、心を開くまでにたくさんの試練を乗り越えていくんだけど。


 色々ありつつ、その中でも“前世の私”が一番ムカついたのは少女をいじめる悪女の存在だ。


 これがまあ本当腹立たしくて。


 悪女は不良のリーダーが好きすぎるあまり、特別扱いされている少女に嫉妬しひどい嫌がらせをするのだ。


 本人に聞こえるように陰口をたたいたり、あらぬ噂を流したり、集団でリンチしたり。


 それはもう極悪非道な行いをやってのけ。


 不良少年より不良じゃんか!なんて“前世の私”は思っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る