第5話


『生まれ変わりっ、だなんてっっ』



 こんなの、頭を抱えずにいられない。




 くぅぅと情けない呻き声をもらしベッドの上でうずくまる。



5月29日。


今日は17歳の誕生日。


普通ならとてもめでたい日だ。




そう、…




 前世の記憶を取り戻したりなんてさえしなければ。





前世ーーーー…


私は平凡な高校生だった。


 勉学と部活とバイトに明け暮れ、たった一人の優しい家族と慎ましく暮らしつつ、友人にも恵まれそれなりに楽しく青春を謳歌していた。


 だけど17歳の誕生日、前世の私は交通事故にあいその短い生涯に幕を閉ざしたのだ。


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