《第13話》遅れた防災・防衛強化の進行、そして新たなる道へ

公共の場における地下階や地下シェルターの設置義務化により普及率拡大が進んでいた1996年11月、その半年前から全国で多発している大腸菌感染症問題と向き合い、昭和のゆとり穏健派ツネオは直ちに全国一斉に非常事態宣言を出す様、政府に連絡した。

そして未だに後を絶たない大腸菌感染症対策強化を模索する為に非常事態宣言発令となり、学校や職場や地域などにおける行事も多くが中止する様になり、全ての家庭でもクリスマスや正月などの祝い事を含めて自粛を余儀なくされ、特別支援施設や職場や学校などにおける忘年会・新年会・同窓会などの大人数による集会を禁止する法律が2年後の春を目処に適正化する事も正式に決定した。

ところが1997年3月、自社さ3党から内閣不信任決議案が提出され、不満を更に大きく感じた昭和のゆとり穏健派ツネオは、自ら属する新進党の戦略を変えて民主改革連合と連立を組む事をにし、不信任案未決のまま総辞職、その後の総選挙に向けて新たに結党した民主党を連立に加えたのだった。

政権維持を目指して行っていた慈善活動の評価と国民からの支持を得て当選と勝利に向け、昭和のゆとり穏健派ツネオは非自民・非共産勢力の強化と日本放送協会の分割民営化とバス事業の民間移譲、日本道路公団の一括民営化、営団・公営交通全般のオール民営化、自衛隊の防衛軍化、非核三原則撤廃、勤勉革命推進、国民福祉税と自転車税の導入、戦争放棄撤廃、罰則付きで喧嘩両成敗永久放棄、ゆとり・痴漢・詐欺・紅白歌合戦・かくし芸・仮装大賞・よさこいソーラン・喰わず嫌いなど喧嘩以外の両成敗を全て完全認可、憲法改正、障害者と健常者の完全共存義務化、更にその極め付きとして公園・海水浴場・鉄道駅・教育施設など全国各地の全てのパブリックトイレのオールジェンダー共通化・一般型和式トイと和風便器専用温水洗浄機器の設置義務化などを訴え、主に学生や若年層からの人気と評価を上昇させた。

そして7月に入り衆議院は任期満了に伴い解散、そして総選挙で自社さ3党を敗北に追い込ませ、議席も大幅に獲得、昭和のゆとり穏健派ツネオも中高生や大学生などからの人気を得て当選し、見事に完全勝利したのだった。

自社さ3党を再び敗北させ、連敗のケジメとして新党さきがけを自民党・社会民主党との分裂に追い込ませ、再び非自民・非共産派になった。

しかし、これが自民党と社会民主党と日本共産党の逆襲と喧嘩勝負の始まりに過ぎなかった。

人気オカルト系RPGシリーズの実写映画化と北海道ロケ敢行、更に昭和のゆとり穏健派ツネオがかつて自ら属していた日本鉄道協会などの協力を得て私立の男子中学校や旅客列車内での撮影を含めて映画製作に関わったりもしていたコミッション団体と仲良くなっていた事から、支持を得ていたという事実を自民党と社会民主党と日本共産党に知られていたのであった。

その事実を知らされた事を機に非自民・非共産勢力は止められ、自民党総裁が内閣総理大臣に指名されて政権を失った。

そして昭和のゆとり穏健派ツネオは新内閣発足直後、北海道開発庁に配属となり、その直後には身障者・高齢者向け施設など一部を除いて一般型和式トイレ・和風便器専用温水洗浄機器設置義務化とオールジェンダー共通化完全移行も早々と成立した。

また、数年後の新ドーム球場開業に併せて地下鉄の延伸と同時にその年を目処に交通局の民営化を決めたが、年末には新進党は解散、既に還暦を迎えていた昭和のゆとり穏健派ツネオは北海道開発庁を後にし、年明けに結党した後継の改革クラブへの移籍を経て、その翌年4月に行われた北海道議会議員選挙で当選を果たした一方、更にその翌年6月の解散総選挙で所属候補者が全員落選し解散、その直後には無所属となり、かつて属していた公明党が長年の敵対関係であった自民党との連合を組んでいたと知り、検討していた移籍を見合わせつつ北海道議会から様子見する程度に至ったのだった。

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