《第9話》昭和の終焉、そして民国化へ

自らの真の世界改造大作戦をやり遂げ、成功に近付かせる程絶好調の中、昭和のゆとり穏健派ツネオは予想にもしない出来事を知った。

それは、皇居の陛下の身体を病が襲い、昭和の時代に終焉が告げられていた事である。

札幌圏を中心に電化区間を走る近郊型電車711系の一部組成変更や客用扉の増設による改造を施している間に方針を変えて新形式の近郊形電車721系の開発と導入、そして試運転を始めたばかりの時に訪れた衝撃、勿論それは世間にも与えるまでとなった。

昭和のゆとり穏健派ツネオは急遽国会に向かい、日本と台湾を併合し“中華民国”に統合させると同時に翌年から昭和を元号から日本国紀元に移行させたり、消費税を直ちに廃案する様、日本・台湾の両政府に申し出て欲しいと要望したのだった。

そして2か月半が経ち、遂にその要望が通ったと昭和のゆとり穏健派ツネオが属する特殊法人日本鉄道協会北海道総局に連絡が入り、家族の待つ自宅に戻った昭和のゆとり穏健派ツネオは遂に五女の陽菜が生まれたと、長女の美和から突然の朗報が入ったのだった。

それを聞いた昭和のゆとり穏健派ツネオは喜んだが、その約1ヶ月後に“昭和”の元号が終わると共に日本国紀元“昭和民国暦”に移行となり、日本は台湾と一つの国に生まれ変わり、台湾は“中華民国台湾”に、南西諸島は“中華民国沖縄”に、北海道と北方領土は“中華民国北海道”に、そして本州・四国・九州の全土は“中華民国日本”に、それぞれ生まれ変わり、天皇の時代が終わり、代わって総統が国を支える座を取り、皇族は国王族に変わり、新たなる独自路線を貫く事となったのだった。

これにより、再度の教育改革として数年後に春休みを3月26日〜3月31日と4月2日〜4月4日の9日間に、夏休みを御盆期間の8月13日〜16日の4日間に、冬休みを年末年始の12月30日〜1月3日の5日間に、それぞれ短縮して全国統一する予定や計画は凍結となり、代わって春休みは4月1日を全国全校一斉入学式を兼ねての登校日とする以外は日数を変更せず、夏休みと冬休みは全国統一・短縮化に方針を変え、夏休みは7月26日から8月16日までの22日間に、冬休みは12月26日から1月4日までの10日間に、それぞれ縮小する方針に変更と同時に春休み中や夏休み中も学校や地域や職場などで連携しながらも特別活動を可能にするなど、昭和のゆとり穏健派ツネオは公共鉄道局との両立で忙しさが増す様になったのである。

それに加えて、学校側でのいじめ・非行取締を完全義務化、小学校制服完全導入、全国統一で全校における校歌を全て取り止めて国歌「君が代」に完全移行、全ての小・中・高等学校の修学旅行や地域・職場などの慰安・社員旅行などにおける移動手段として利用可能な交通機関を航空機・バス・青函フェリー(いずれも貸し切り・チャーター含む、遊覧船やロープウェイなど観光施設の乗り物は引き続き可能とする)に限定し、特にそれ以外でも家族旅行や個人旅行などを含めて航空機・バスの利用促進・強化、小学校では病気や事故などでの年度跨ぎ入院及び静養などを理由とした留年は認めず、いじめ・非行などの不祥事を犯した児童には登校停止処分を与える事を可能にさせ、中学校では病気や事故などでの年度跨ぎ入院及び静養などを理由とした留年は認められ、いじめ・非行などの不祥事を犯した生徒には留年・謹慎・停学・退学処分も可能にしたり、義務教育を小学校のみに縮小するなど改革は急進せざるを得なくなった。

それだけでなく、次の教育改革プランとして全ての中学・高校における英語の授業を取り止め、公民の授業必須化に移行させたり、学校週5日制と土曜休校を廃案し休校日は冬休みに含まれる元日以外の祝祭日を除く日曜日のみで統一し、特に土曜日は課外活動や倶楽部活動といった土曜授業、そして祝祭日は曜日に関係なく特別活動や行事を行う方針は変わらないのである。

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