《第7話》繋ぐ一本列島と次なる最大の試練

待望の津軽海峡線や瀬戸大橋線の開業により世間が浮かれる中、やるべき改革は果たしたと自ら公言し、首相の職を退いて公明党を離党、国会を後にした昭和のゆとり穏健派ツネオは、特殊法人日本鉄道協会に異動したが次なる試練が待ち構えていた。

それは、その6年後を目処に五稜郭〜長万部〜東室蘭間の電化開業と貨物機向け電気機関車ED76形550番台の導入、札幌〜函館間の特急列車を気動車から電車に移行する事と、試練は山積みになっていた。

独自路線を貫く北海道にとっては、新幹線の開通や高速道路の拡大をするよりも在来線の向上の為の電化・複線化・軌道強化・信号場増設の方が都合が良いからである。

しかし、昭和のゆとり穏健派ツネオは札幌〜網走間を千歳線・石勝線・池北線経由で結ぶ特急列車への編入に伴う、函館〜網走間の特急列車廃止後の石北本線をどうにかしろと上層から言われ、やむを得ず系統分割、経路変更された特急に代わる主役を生む事にした。

その頃、旭川〜北見間で臨時特別快速列車を週末及び行楽シーズン限定で運行していたモノの定期化を前提条件としていた為、余剰となったキハ40系40・48形気動車を再利用し、定期化後の特別快速は5往復体制とする他、4往復は札幌〜旭川間の特急列車との接続を兼ねてリレーダイヤを設定、1往復は札幌〜旭川間での急行運転を兼ねて朝の下りと夜の上りで札幌〜北見間の直通で設定、出来る事はそれだけだった。

更に、札幌〜函館間の夜行快速列車の設定も兼ねていたからか、転用された583系寝台電車の付随車のうち2両を改造し、幕式行先表示機器の撤去し埋め込み、同時に客用扉を引戸化し、代わりに側面中心部の窓の下部にサボ受けを設置したり連結器を交換する等して転用、仕様改造されたキハ27形気動車との併結に対応させた上で組み込ませるという事に挑んだのだった。

ところが、線路沿いに近くて危険な海水浴場問題を抱えていたと聞き、その問題となっていた海水浴場と駅の視察に入り、その後鉄道部で数年後に問題の海水浴場を廃止し駅も淘汰させる方針で固めたのだった。

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