《第3話》ゆとり脱却へのチャレンジ
昭和のゆとり穏健派ツネオは試験運転時にパウダースノーによって故障した特急型車両の計画変更に向け、テコ入れ策として酷寒地での営業運転を取り止めて本州に転属・譲渡させるか、それとも雪の降らない季節に限定して営業運転を行い、ヒーター強化など様々な改造を施工した上で冬季間における試験運転を再開するか悩んでいた。
しかし、完全なる酷寒地仕様車の開発のヒントを手に入れなければならない事も課題の一つとして、昭和のゆとり穏健派ツネオは冬季間の営業運転を休止し、引き続き翌年4月28日までは完全酷寒地仕様の近郊型電車711系や急行型気動車キハ56系を使用した急行列車に変更する事を提案し、これが上手く通って完全酷寒地仕様の特急型電車が導入されるまで続いた。
そして近郊型電車の一部機器交換・改良が行われ、見事に成功を収め、近郊型電車711系の次期増備車と特急型電車に使用する機器類に採用された。
そして待望の完全酷寒地仕様の特急型電車781系が試作で落成され、その後旭川運転所の格納庫も完成され、冬季間における挫折も無く営業運転に就く事が出来た。
1980年(昭和55年)6月までに置き換えの対象とされた485系1500番台は1980年(昭和55年)6月まで共通運用を経て青森に転属させ、雪質や気候の異なる本州では何の問題も無く東北本線や奥羽本線などで運用されたのだった。
そんな輝かしい時に昭和のゆとり穏健派ツネオは翌秋に控えていた石勝線開業後の北海道の特急列車の在り方を見直す事であった。
その頃、北海道では試作のディーゼル特急車両キハ183系が導入されていたモノの、独自路線を貫く北海道にとって長距離を走る特急列車には付き物だった食堂車が新形式車両に無い為、食堂車が含まれている既存のディーゼル特急車両キハ80系との差が生じられていた。
そこで、昭和のゆとり穏健派ツネオは量産化に間に合わせるべく製造から20年も経過していないにも関わらず廃車対象になる予定だった電車特急用付随車の再活用を目論み、全国からグリーン車や食堂車の譲渡を受け、食堂車を先行に酷寒地仕様化に加え、様々な工夫を経て気動車用付随車に改造する計画を立てたが、乗車前に駅売店やコンビニで購入する客が増加していた事から利用率の低迷が進む食堂車の廃止が検討されていた。
そこで、同じく翌年に北海道への転属を経て酷寒地仕様化改造となる客車との併結用車両に改造する計画に変更し、付随グリーン車のみを対象とする方針を固めたが、グリーン車の利用率も少なく全車普通席による完全モノクラス化で決着した。
更に加えて石勝線開業後の北海道ディーゼル特急再編計画として、函館と釧路を結ぶ特急列車の経路を函館本線(山線を含む)・千歳線・石勝線経由に移行、札幌と網走を結ぶ特急列車の経路を千歳線・石勝線・池北線経由に移行、室蘭本線・千歳線経由の区間で運行の特急列車は函館〜札幌間の特急列車に編入、函館と網走を結ぶ特急列車は室蘭本線・千歳線・石北本線経由で継続、札幌〜函館間の急行列車は函館本線(山線を含む)経由での運行を継続、札幌〜網走間の夜行急行列車は函館本線・石北本線経由の「大雪」のまま旭川駅で札幌〜稚内間の「利尻」と分割併合、札幌〜旭川間での併結運転に移行、札幌〜釧路間の夜行急行列車は函館本線・根室本線経由のまま愛称を「まりも」に改めるのみとする事にしたのだった。
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