第九章
新潟のラーメン屋さんで武蔵があった。武蔵といえば昔の埼玉と東京あたりの地名だ。でも、ここはちゃーしゅー武蔵のラーメン屋さん。新潟市に在る人気店で名の通り食べると溶けるようなチャーシューが美味しく、味噌も美味しくって、辛味噌も薄く溶かすのも良い、あと海苔も一枚乗りじゃなくって、パラパラとした海苔で、その海苔の磯の香りがまた良くって、やっぱり新潟もラーメン文化の街なんだと思った。
「うまいわ、このラーメン」
ゴスロリお嬢様服装のその人は言う。
「へい! ありがとうございます!」
店主が言う。
「ところでお客さん、観光ですか?」
「あら、やはりわかるかしら」
「ええ、このあたりじゃあんまり見かけないもんで」
「そうなのね、悪食令嬢なんてやっぱり珍しいものね、世界的に」
「悪食?」
飲食店として嬉しくない言葉に店主は眉をひそめた。
「誤解しなくって、悪食と言いましても自分で釣ったりするものに対してのわたくしの個人名称ですわ。ニコニコ動画で投稿しておりますわ」
Ntubeじゃないんだとは店主は言わなかった。
「Nじゃないんだと思いましたわね。そう、最近悪食過ぎてバンされましたの」
「そ、そうなんすか」
引いている店主に対して周囲の客は「あれ、悪食じゃね」「ほんとうだ、ゲジゲジ以外も食べるんだ」「令嬢だって普通のもの食べるだろ、ゴカイ(魚の餌 *検索自己責任)食べていたぞ」「いや、ゴカイが普通の時点でおかしいから」「カワハギ食べているときは安心したのに」そう賛否(?)両論の声が聞こえた。
「人気者なんですね」
「ええ、これでもニコニコからイベントの誘いが在るもの」
「釣りのですか?」
「あら、よく私が釣りしていると分かるわね」
「ゴカイとか出てますし、ここは新潟なので釣り好きな人が多いんですよ」
「釣りも多いわね、でも最近は近所の川で釣った魚の調理ね。ブラックバスよりもカワハギが釣れたのはビックリしたわ。やはり海に近いのね」
「あと車で五分も走れば新潟港ですよ」
「そう、でもこれから私は村上市に行くの」
「観光で?」
「そうね失恋旅行ね」
「……」
店主はそっと自殺相談ダイヤルのチラシを見せた。
「失礼ね! 自殺じゃないわよ! それに別れたのは高校の頃よ! もう一年以上も昔のことよ!」
「それで、癒えずに今日は思い出旅行で……」
涙ぐむ店主。
「違うわ! それに彼は一度も私に振り向きもしなかったわ、眼中になかったのよ。この街も単に温泉街だから選んだのよ」
「死ぬには良いところだと?」
「だから自殺じゃないのよ! 生きる為に来たの! 勝手にメンヘラにしないで!」
私は悪食令嬢。本名滝沢カレンです。
海で釣った魚をその場で調理しますのでとりあえず食べられる料理なんですけど見た目がアニマル浜口の黄金伝説料理なので、あ、これ作者が年分かるネタですわね、やめますわ。とにかく男漁師飯なのですわ。誰ですか、漁師飯のほうがうまいと言った人は………いませんわよねーーー!?
え? 令和に更新してて平成ネタなの変? 今更ですわ! 一応このネタ平成2●年で作者もバリバリの高校生なのでもう年代とかバレても仕方ねぇですわ!
え? じゃあ私が三十代ってバレる?
お口チャックですわ!
滝沢カレンに謝れ? え? 私の本名なのですよ?
さて、今日は海ゴミであるこのペットボトルと下手くそな釣り人が捨てた釣り糸を巻きつけて………
完成ですわ! 案外よく出来たわ。
これで、悪食エントリー!
次回が楽しみですわ!
※今回はすいません多忙でふざけました。
見てる動画バレる内容ですね。
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