インタビュー・ウィズ・キラー
協会からの依頼で、愛坂狂次は、インタビューに答えることになった。
——愛坂さんは、ベテランの殺し屋ですよね。殺し屋になって何年ですか?
「14年になります」
——ということは、13歳からですね。殺し屋を志した理由は?
「人を殺すのが得意だからです」
——なるほど。どんなところで人殺しを得意だと思いますか?
「そうですね。いつも冷静でいられますし、殺すことに躊躇もなく、罪悪感を抱くこともないところでしょうか」
——素晴らしい適性ですね。やっぱり、努力されましたか?
「努力というより、天賦の才です。努力するとしたら、殺しの技術の方ですね」
——そうでしたか。確か、愛坂さんは、射撃・近接戦ともに得意だとか。それは、努力で?
「はい。まず、ナイフで人を仕止める術を学びました。人体の急所を頭に叩き込むのです。それから、素手での格闘。次に、拳銃・狙撃銃での射撃訓練。あとは、閃光弾や毒ガスなどの取り扱いを教わりました」
——どれも成績優秀だったと伺ってます。初めての人殺しは、どのようなものでしたか?
「初めて殺したのは、実の父です。典型的な虐待親だったので、寝ている時に包丁で喉を刺しました」
——自衛のために殺したんですね。その後、協会にスカウトされたんですよね?
「はい。私には弟がいますから、ふたりで生きていくためには、金が必要でした。だから、渡りに船でしたね」
——弟さんは、愛坂さんの仕事について何か言ってますか?
「私に向いた素晴らしい仕事だと言っています」
——理解のある弟さんですね。兄弟仲はいいんですか?
「ええ。双子だからですかね。お互いを特別だと思っています」
——いい話です。愛坂さんは、協会でも上位の殺し屋ですが、給料はどのくらいですか?
「あまり金に執着しないので、覚えていないのですが、貯金は何千万かあります。一度の殺しで、百万から五百万円はいただいています」
——流石、トップクラスの殺し屋ですね。見たところ、愛坂さんは、イギリスの高級ブランドを好んでいるようですが、何か理由はありますか?
「世界史を学べば分かることですが、イギリスは悪いことばかりしているのが目立つ国です。私のような職業の者にはぴったりだと思いました」
——面白い考えですね。では、最後に養成所の生徒にコメントをください。
「殺し屋は、ハイリスク・ハイリターンな仕事です。命懸けで、命を奪う仕事です。皆さんも、しっかり適性を身に付けてください。以上です」
——ありがとうございます。協会で活躍している現役の殺し屋の愛坂狂次さんでした。
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