死にたい僕に、花束を。

すだち(現役中学生)

エピローグ

"生きたい"か"死にたい"か


"死"


それは、一番遠そうだけど実際は一番近いものだと自分は思う。

例えば、2階にある窓から落ちるとする。そんな簡単なことでも生死に関わる。

というか死への確率の方が高いだろう。

洗面所へ行き、水を10cmほど溜める。たった10cmという深さでも人間は死ぬことができる。

それだけ、"死"というものは身近なものだ。


では、何故、人は身近なものなのに行動を起こさないのか?


死ぬのが怖いから?楽しみなことがあるから?今が楽しいから?大切な人がいるから?

大切な家族がいるから?守るべき者がいるから?


それらもあると思うが、一番は"生きたい"と心の底から思っているからだ。


でも僕には、そのようなことは心の底から思っていなく、少ししか思っていなかった。

僕。「栢石 勇輝かやせ ゆうき」は生きる気力が少ししかなかった。


僕が自殺するときは現場の近くに僕の一番好きな花。「アザレア」をそこに置こう。家族への遺言として。


もし、もし僕が生きたい!人生がとても楽しい!と思えるときが来たら、僕の部屋にあるずっと空っぽの花瓶に一番好きな花。「アザレア」を飾ろう。自分へのプレゼントとして。

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死にたい僕に、花束を。 すだち(現役中学生) @Sudati_kankiturui

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