第16話 納得したい

 頭がおかしいとかでよく変人扱いされたり、不審者扱いされたりする人いたよな?


 こんな話を切り出している俺の学区ではいたよ。なんて言い出したら差別だって侮蔑するだろうな。



 でも。わかってしまったから。


 ギィギィと音を立てる幽霊とでも言えば良いのかそれが見えるようになった。ちょうど学校の通学路と重なる道に。


 最初、生きた人間だと思って「ふざけんな」とか言って騒いだりしてたら。


 あいつは頭がおかしいって揶揄されるようになった。


 そう言えばそう言われた大半の人が居たのもこの辺だったなぁって。見えるからおかしい奴として奇異の目で見られる。周りには見えないから。


 もっとも俺は、第一志望に落ちて、勉強しなきゃなんなくなって、かといってバイトもしなかったから余計周囲にはそう見えたのかもしれませんけど。


 でも納得いかないですね。


 

 まず最初にそう言われていた人は大抵家族の喪失があったんです。俺は無かった。


 それに。多くはその路地と面した家屋に住む連中ばかりでした。



 そういや。あの辺り昔どっかの家で火事があったんだったかな。相当昔のことらしいけど。


 亡くなったのはひとり暮らしで逃げ遅れた老齢の男だったとかなんとか。それに歳もあって痴呆症が酷かったらしい。


 そうそう。俺も行ったことあんだけど近所の外れの方に高校生に人気の肝試しスポット?があんのな。俺も行ったことあんだけど。飛び降りが多かったとかで立ち行かなかったんだってな。まぁ関係ないけど。





 

  

 

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