第15話 見立ての神さま
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時に子どもと言うのは残酷な遊びをします。かくいう私にもそんな記憶があるのです。これはそんなお話。
いったい誰が始めたか、言い出したのか、なんてのはもうわからない。それでも皆そうしていたのは紛れもない事実。
こっくりさんの真似事を始めました。毎回決まって放課後に。こっくりさんではなく同級生の名前でしたが、ハーフで色白の同級生が居たんです。まるで神秘的。男子はその子をからかって意地悪をしていました、それまでは。神さまに見立てて拝めまつりました。そういう遊び
その子が果たしてその意味を理解していたかなんてわかりませんが。それで放課後にこっくりさんでその子の名前で呼び出しお願いごとをするんです。なんなら祠に見立てたものまで器用な子が作ってありました。
願いごとが叶ったらその子のおかげ叶わなかったらその子のせい。普段は本人に話しかけちゃだめだって神さまなんですから。
それがその子が転校するまで続いていました。転校の多い家庭だったそうで。それで終わりにしておけばいいものをずっと続けました卒業まで。
ああそう言えば、誰かが下級生にも教えてしまったんです。それで学校では今も続いているはず、友だちの後輩の代でも確か学校の七不思議ってことになっていると聞いたので。
祠もどきもその時に下級生に継承したらしい、と聞いたんです。
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