3 完
目が覚めた。
ガチャガチャ、ガチャガチャ。誰かがドアノブをひねっている。いや、これはそいつがわざわざドアノブを開けて侵入しようとしている。
ガチャガチャ、ガチャガチャ。
これは猶予に過ぎない。わざわざ開けられる癖に開けろといっているのだ、と。
人生のカウントダウンだ、死ぬ。今、ここで。
ガチャガチャ、ガチャンッ。ドアがゆっくりと開かれていく。
逃げなければ。
そいつは狂喜に満ちた笑顔でこちらを見ている。
神様の気まぐれだったのか? お前が死ぬのは、もうすぐだと。
見慣れた手。見慣れた凶器。
足をこちらへ向けてくる。
逃げなければ、頭ではわかっている。体が動かない。
そいつが距離を詰めてくる
ここで人生は終わるんだ。猶予ならあったはずだ。
現実と夢はとうに交差して⋯⋯⋯⋯。
死の予感。
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