第１１話　お墓

　ご先祖様のお墓とか親戚のお墓ってあんじゃん？

　俺ん家にはさ。誰かもわからない人のお墓があるんだよね。

　当時雑だった？っぽくてさ後になって渡す遺体を間違えちゃったって言われてさ後の祭りなわけよ。今更言われても遅ぇよってわかる？焼いた後だし取り違えたのが誰の骨なのかすらももうわかんないって状況だったらしいんだよね。

　だからひいおじいさんのお墓は赤の他人の骨が埋まってるわけ。困るよなぁ。毎回ひいおじいさんのお墓には他人の骨が埋まってるけど何もしないわけにもいかねぇし。第一他にどこへお墓参りに行きゃいいんだって。

　どっちにお墓参りしてるんだか訳ワケわかんねぇって。なぁ？

でさ、そのお墓に幽霊が出るんだけど。俺ひいおじいさんの顔知らないし、ひいおじいさんが写真を嫌ってたらしくて写真も残ってないわけ。だから他人の方が化けて出てんだかひいおじいさんが化けて出てんだかわかんねぇからさ、ほんと困るよな。対処のしようもないしさ。俺らに非があったわけでもないじゃん。

　「わかる？　あんたに聞いてんだよ」

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