その日もそいつは空き巣に繰り出していた。家の中に侵入を果たして慣れもあったんだろうな。そいつはいつにもまして、粗雑だった。ある家の中に踏みいって家の中に長居していた。どうやら家の主は寝ていただけで不在等ではなかった。その家の主は老人だった、老人は目を覚まし二階から起きてきたらしい。そいつの目と老人の目は交差していた。老人は驚き怒鳴り声を上げて玄関へ。そいつは後を追いかけた。老人が何かを振り回した、そいつの頬を掠め。そいつは追いかける時に手に取った凶器足り得るそれで、老人を滅多刺しにする。手から生々しい肉に、命に、食い込む感覚が伝わった。そいつは老人が死ぬのを確認すると驚くよりも汚い笑い声を上げた。


 そうして起きた、空き巣犯から強盗犯へ変わるそいつのそれを夢に見た。

 吐き気がして、食事は喉を通らず。刃物を持つと夢の中の出来事がまざまざと過った。放送でも強盗が起きたことを告げていた。


  そこからの夢の中のそいつは強盗犯へ転身したらしい。殺人への狂喜が有り様を変えたようだった。誰かを追いかけ殺し金目の物を盗むそんな夢を毎日見せつけられ現実の自分はもう、ズタボロだった。放送が連続強盗だと告げる度にどうにかなってしまいそうだった。

 警察がさっさと捕まえてくれればいいのに、と。


 今日は見覚えのある光景が視界をとらえていた。近所の道、その時気づいた。これは自分の家へと続く道だ。見慣れたドアノブにそいつは手をかけた。早く起きなければ。

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