第3話 SNS
1 完
学校でも最近話題になっている有名な話がある、これはそんなお話。仮に当事者をAさんとしようか。あくまでも又聞きに過ぎないことだけはご容赦していただきたい。あまりに不謹慎だとも言えるが怪異って時代と共に有り方や媒体を変えてしまうんだね。
Aさんは、某SNSをしていた。いつものようにね。それでもその日Aさんは、その字面に恐怖を覚えるはめになった。
画面に■■■■さんからフォローされました、というよくある通知が表示されたから。
うん、確かにありふれた内容だったある一点を除けばね。表示された■■■■さんって名前は死んだ友人のフルネームだったから。下の名前だけとかなら大して気にも止めなかったはず。それもフルネームで漢字もまったく同じ死んだ人間から、フォローされたなんてのはさ。そう起こりえるはずもないこと、しかも友人だったんだから良い気はしない。何の冗談だ、とさえね。
最初は他の友人らが質の悪い悪ふざけをしたのではと、考えた。だって死んだ人間がSNSを操作したなんて考えるより現実的だったから。もちろん誰もそんなことをするわけないと、Aさんに答えた。もちろん納得はできなかったが、そんなことをする人達ではないとAさん自身よく理解していた。
だから亡くなった友人のことを気にくわない何者かがこんな悪質ないたずらをしているもしくは、同姓同名の人が本当に存在するのかもと考え直した。
当たり前と言えばそれまでなんだけどね、その亡くなった友人らしきアカウントって何も投稿した形跡がまぁなかったらしい。でもね登録した日付けの項目を見てAさんは、怒りが抑えられなかった。亡くなった友人の死んだその日だったからだよ。これが悪ふざけなら笑えやしない。もし死んだ友人が本当にしているなら?と。
ここまではAさんが友人達にそう言っていたらしい話。ここまで聞いたならなんとなく想像がつくでしょ?
Aさんはその後亡くなった、そしてAさんのフルネームで漢字もまったく同じアカウント、亡くなった日付けに登録したらしいアカウントから。Aさんの友人に■■■■(Aさんのフルネーム)からフォローされましたって通知がきたんだ。
唯一そのAさんとフォロワーの一覧にはAさんの亡くなった友人のアカウントが表示されていたことを除けばまったく同じ現象。
そういう出来事が先輩の時に起きて学校では大きな話題になったの。学校の七不思議として名をのこすくらいにはね。もちろん集団ヒステリーだのなんだのと教師達が落ち着かせるのに苦労したらしい。まぁ本当に死んだらしいのはAさんと関わりのあった数人のグループだけで終わったらしいけど。
死人はそこまで出なかったわけ。
ところがね、今の私達にも起きてるのね。■■■■さんに友達追加されましたって私も。もし私達が死んだらそういうことだよ。あなただって他人事で済ませられる?
悪い冗談なら良いよね。冗談じゃないなら私達死ぬんだね。明日かな、明後日かな、それとも今日?
残念ながら回避する方法は今のところ聞いてないけどやっぱり呪いなのかな。じゃあね、バイバイ。
『■■■■さんから友達追加されました』
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