第80話

次の日からは四人の旅になった。メイは馬に乗ってきていなかったため、協議の末、体重が軽いもの同士が一緒になった方がいいとのことでユリとメイが相乗りすることになった。ユリはかなり小柄であり、メイも背は高いが細身であるため、馬にとっても大きな問題ではなかったようだ。

メイと仲の悪かったはずのタクも当たり前のようにメイの存在を受け入れ、相変わらずの口げんかを繰り返していた。それをタツが仲裁し、ユリが面白そうに見ているのがいつもの風景となった。

 メイは様々な職業の人物になりすました経験があったので、器用で色々なことができた。特に料理の腕はなかなかのもので、おかげで食事の質は随分と向上した。これは思いがけないほどの士気高揚となって、旅を順調なものとしていた。


「すごいなぁ、尊敬しちゃうわ。同じ材料でこうも違うなんて」

 ユリが野草のスープを口にしながらしみじみとつぶやいた。

「私ももっと練習しないとね」

「いや!ま、まあ…ユリはその、料理はいいんじゃないか、別に。他に出来ることがあるんだから」

「そうそう」

 タツとタクが引きつった表情で止めた。

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