第77話
結局一昼夜タクは寝込み、ユリが付きっきりで看病した。
「なんかいつもと逆だなぁ」
夜になってタクの熱も落ち着いてきたので、気持ちに余裕が出てきたらしいタツがからかった。
「ほんとはこれがあるべき姿なんだけどね、職業的には」
ユリも思わず苦笑する。
「ま、でもユリもちょっと寝ておけ。お前の方が倒れちまうぞ。俺が見ておくからさ」
「うん…ありがと」
「そういえば、昼間、随分馬を走らせていたけど大丈夫なのか?」
「え?ああ。必死になってたから忘れてた。大丈夫よ、自分で走ったわけじゃないし、ちょっとくらいは運動してもいいの」
「そうなのか?」
「うん、ま、病院にいるとリスク管理でうるさく言われるんだけどね。あんまり動かなくても体力落ちてよくないのよ」
「そういうものなのか?まあでも、今日はもう寝ておけ。疲れてるだろ」
「うん…でも…」
「タクに何か変わった様子あったら必ず起こすから。な?」
強い口調でタツに言われ、しぶしぶユリは寝床に入る。実際、疲れはたまっていた。
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