第74話

(どうしたらいい?)

 タクは心の中で問いかけた。

(あのしっぽの付け根が急所なの。そこの殻の隙間を攻撃できたらいいんだけど…)

 メイが応じた。その時タツも追い付いてくるのがタクの視界に入った。

(それなら、タツに今の情報を送れ。あいつは弓が使えるから。俺は前面に弾を放って気を引くから)

(わかった)

 走り回りながらの無言での会話なので魔物が気付く様子はない。タクが魔物の正面に躍り出てパワー弾を連発した。サソリが怒ってしっぽを振り回す。

(いまだ、タツ…!)

「グギャァ!」

 タクが念じた時、今までとは違う魔物の叫び声が上がった。タツの放った矢が魔物の急所を正確に射抜いたのだ。

「やった…!」

 魔物が地響きを立てて地面に倒れ伏して動かなくなった。

「よう、怪我はないか」

 タクがメイに不敵に笑いかけた。メイは放心したようにへたりこんでいた。

「大丈夫か、二人とも」

 タツが駆け寄ってくる。タクがにやりと笑って、その場に崩れ落ちた。

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