第21話

翌日は、ユリだけでなく、その友人もやってきた。

「こちら、私の親友のアリス。内科医なの」

「こんにちは」

 アリスはにっこりとほほ笑む金髪の美少女だった。年頃はユリと同じか、少し上か。

「あ、どうも。タクです」

「はじめまして、タツです」

 タクとタツは少々ドキドキしながら挨拶を返した。金髪のアリスと銀髪のユリが並ぶと、ものすごく目立つ。しかも二人とも美少女なのだから、店中の注目が集まっていた。

 食事は和やかに始まった。心なしか、ユリが心配そうな顔をしていたが、アリスは話し上手であったし、タクとタツもこれまでの旅の様子を楽しく話していた。ユリとアリスは小食であったが、それもいつものことなのだという。軍人上がりの男と比べたら少なく見えても当然なので、彼らも無理に勧めはしなかった。

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