第二章 アスクラピア
第11話
「なあ…タツ、俺たちほんとに、中に入れてもらえるのかな?」
素っ裸にされた青年が、情けない声を出す。
「大丈夫…だ、といいな…タク」
長身の青年も、自信なさげな声である。
ここはアスクラピアの城門前の検疫所。天下の医学都市国家は、入るのに厳しい審査を受けなくてはならない。青年たちはすでに二日も留め置かれ、体の隅々まで調べられているのであった。
医学都市国家であるアスクラピアには、世界中から様々な患者が押し掛ける。その中には、当然伝染病をもった患者もいるのであった。しかし、そのような患者を不用意に入国させてしまっては、市民や他の患者にも感染し、国中がパニックに陥る可能性もある。そのため、入国にはかなり厳しい身体検査が行われるのであった。しかも、二人は衛生状態のよくない地域を通って来ていたため、なおさらに厳しい審査が課されたのである。
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