総統大本営本命令!異世界ヘ侵攻セヨ!
第2話・異世界
ひと騒動あった後、菅野は山口にありがたいシバキをいただき、ボロボロになって帰ってきた。その効果もあってか、女神のことを少し格上のように接するようになった。
「それで、皆さん持っていく妖精は決めましたか?」
そう女神が言うと
「決めたよ」
と異口同音に五人はこたえ、菅野はブツブツと文句を言っていた。
「では順番に言って行ってください」
「山口多聞。空母飛龍、戦艦長門」
「菅野直。紫電改A-15、A-01号機。塗装は言わなくてもわかるだろう」
「アドルフ・ヒトラー。演説道具が欲しい。乗り物だったらメルセデスベンツの1A 148461ナンバーがいいな。私の愛車だ」
「ミハエル・ヴィットマン。ティーガー205、231号車」
「ウルリッヒ・ルーデル。Ju87G-2機体番号494 110、Fw 190 F-8、機体番号は...忘れた。分かるなら出してくれ。それと後総統閣下が頼んでいない分でA-10 がほしいな。できれば
「寺内 正道。駆逐艦雷、雪風。できればどちらも一番煙突に菊水を」
「了解です。ちょっと待ってください」
女神はそういうと人が映る板を取り出した。皆が興味津々に見つめる中、戦後まで生きていた寺田とルーデルだけは「ただのコンソールだろう」と言って平然としていた。
数分後、女神が操作を終えると、各々が頼んだものの妖精が出てきた。
そして各々が感想を言い始める
「君が飛龍、そっちが長門か...やはり外見は普通の
「うひょぉ...どっちもべっぴんさんだぁ...片方はもう見たことあるけど」
「ほう!演説道具も高級品なうえ、車の方も典型的なアーリア男子だ!これからはよろしく頼むぞ!こき使ってやるからな」
「さすが私のティーガー達だ!凛々しい顔をしている!」
「三機、もしくは三人とも、これからよろしく頼む」
「よろしく頼んだぞ、二せk...いや、二人とも(なんで高等女学校生なのだ?これではまるで私が
それぞれ談笑している所を遠目に、女神は主神と連絡を取っていた。
「彼らを本当にあの世界に送り込むんですか?めちゃくちゃ危険なんですよ?」
『彼らは確かに生き返りたいと言っていた。それを私はかなえてやったのみだ』
「...分かりました。一応私が説明します。はい、はい、なるほど、了解です。では」
コンソールから顔を上げると、女神は全員を集めた。
「これから異世界、即ち剣と魔法の世界へ皆さんを送ります。何か質問は?」
「最近地上から来た青年学校生位の男児が別の世界へ行くと言ってどこかにいったが、そいつが言った世界と同じなのか?その世界は」
山口中将が質問する。
「はい。同じですね。今回皆さんをこの世界に送り込むことを決定したのはその子供が...」
「負けたから、そいつを助けて根本をつぶしてこい...と」
「大方そういうことです。ほかにはありませんか?」
「「どらごん」とかいうでけぇ鳥はいるのか?いたら俺の紫電改の20㎜で吹っ飛ばしてやる!」
「ええ。もちろんいますよ。もう終わりでいいですか?」
そう女神が言うと、全員が黙ってうなずく。すると円形のマークが姿を現し、18人?を転送した。
3分後――
ドガッ!ドサッ!ドッサ!
18人が次々と海岸に落ちてきた。
『皆さん無事に転送されたようですね!よかったです!』
全員の頭の中に声が響き渡った。その声は女神のもので間違いない。
初めての経験に戸惑いながらも
「よかったよかった」「ほんとにな」「ここが異世界か...」
といって女神と会話しているのは5人と10の妖精だけで、1人と2の妖精はそれどころではなかった。
「いやぁぁぁぁ!菅野さんがわたしのおっぱいもんだぁぁぁぁぁ!ぜったいわざとぉぉぉ!」
「まってくれ!たのむ、叫ぶのをやめてくれ!すまん、すまんかったって...わざとじゃないんだ」
「
「謝ってるじゃぁないか!もうやめてくれぇ!」
それを見ていた五人は、この妖精にも人並みに自我があるということを再確認し、大事に扱おうと心の中で決めていた。
そんな菅野たちをおいて、女神が説明を始める。
『これから皆さんには訓練代わりに魔物を狩ってもらいます』
「なぜ魔物?を狩る必要があるのだ。さっき普通の牛も見かけたから、あっちを狩れば食い物には困らんはずだぞ。それとそもそも魔物とは何なのだ?」
ヒトラーが質問をする。
『魔物というのはあなた達の科学では解明できないような能力を持った動物です。一般的には普通に種として独立しています』
「なるほど、要するに私たちが占領しなければならない国にはそれらを従わせる力があるのか?魔法帝国やら言っていたが」
『そういうことです。そしてこの世界には私があなたたちに倒してくれと頼んだ国以外にも多数の国があるのです』
「ほう?なるほど」
ヒトラーはメモ帳とペンを取り出し、書き留める用意をした。人の心得を読むことでは他の人に到底及ばない彼だが、政治家・兵士としての能力は抜群だ。
彼の頭の中は一気に戦略的思考モードとなった。
「国名と君主の名前は?できれば軍旗・国旗の特徴も知りたい」
『分かりました。説明します。まずこの地図を見てください。』
女神が空中に映した地図を食い入るように見つめ、ものすごい速度でヒトラーはそれを模写し始める。
模写が終わると、ヒトラーは「続けてくれ」といった。
女神は頷き、説明を続ける。
『この世界の陸地は一つの超大陸、「ランゲア」と細かい島で構成されており、ランゲアの大きさは凡そ北アメリカ大陸とユーラシア大陸を合わせた程度です。』
ヒトラーは頭の中ですぐさまそれを計算し、書き写した。
「女神、ヤマグチ中将とテラウチ中佐が艦をそれぞれ二隻持っていただろう、あれらが余裕をもって停泊でき、大陸側からは射線が切られているような面積が20㎦程度の島はないか?」
『あります。ここから東に850マイル、北に43マイルの位置です』
「なるほど...ヤマグチ中将殿、テラウチ中佐殿、少し相談があるのだが」
ヒトラーは海軍軍人を集め、これからの航路について相談し、その後全員に決定事項を言い渡して一日を終えた。
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皆さん。ヒトラーはヒーローではありません。仲間以外は駒としか考えてないので、これから残虐になっていきますよ。★とフォロー、よろしくお願いします。
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↑アドルフ・ヒトラーのラヂオシリーズその壱
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