Kampfpiloten fliegen zu anderen Welten

YFONEAS

第1話・プロローグ

 第二次世界大戦時の人類は2つに分かれて争った。中小国は精神や技術力で戦い、超大国は物量で戦い敵を各々の方法で圧倒していった。

 そして戦争は1945/8/15に終わり、負けた方は自虐を強制された上に搾り取られ、

勝った方は支配地を大きくして歴史を自分たちの都合の良いようにしたのだ。

この戦争で世界は平和になった。戦争で死んだ亡霊たちも生身の人間では絶対にたどり着けないところからそれを見て、満足していた。一部の亡霊を除いて――



「ちくしょうめぇぇぇぇぇ!!」


「また頭がどうかしましたか、総統閣下?」


「なんで崇高なるアーリア民族は我々ドイツ社会主義労働者党ナチスを嫌厭するようになってしまったんだ!これほど素晴らしい思想はないのに!」


「いやいや、あんな思想は指導者がいなくなったら誰でも面倒になるもんですよ。総統閣下が寿命で死んでも結局潰れてたでしょうしね。自然の摂理ならぬ社会の摂理を受け入れてください」


「はぁ、分かった。それはわかったぞ、ルーデル。しかしな...貴様こっち来てから態度がでかくなってないか?私は総統、お前は大佐なんだぞ?その上こっちに来たのも私が先だ」


「ええ。そうですよ総統閣下。しかしそれはまだ頃の話でしょう。こちらでは私が総統閣下を地獄からスツーカで拾い上げたんですから、私も総統閣下の親しい友人程度の話し方をしても文句は言われないはずです」


「ああ...もういい、お前には負けたよ。好きにしてくれ」


 そうやって他愛もない会話をしているのはハンス=ルーデル東部戦線の鷲アドルフ・ヒトラー自己中の塊。二人は生前でも会ったことがあるらしく、こちらに来てもよく話しているところをよく見かけるのだ。

 おっと、自己紹介がまだだったな。私は山口多聞。大日本海軍中将をやっていたものだ。私が飛龍とともに海底へ逝って88年がたち、1102人の乗員たちがやっと全員集まったのが...何年前だったか忘れてしまった。まあ、最近のことだ。


「山口中将ー!」


おっと、菅野君が呼んでいるようだ。


「なんだね。そんなに急いで。いいでも見つかったのか?」


「違いますよ。変なことを言わないでください、中将。さっきエセ神雑魚に聞いてほしいと山口中将が要望されたことを聞いてきたのでありますよ」


「ほう?何と言っていたのだね?」


ここで山口中将が菅野に聞いて来いといったこととは、簡単に言うと「赤子になってでもいいから、記憶を保ったまま生まれ変われないか」という質問である。


「大丈夫なそうであります!それもそのままの姿で!」


「おお、それはいいじゃぁないか。早速皆を呼んd...」


「あの、すいません。行けるのは六人だけなそうであります。詳細はこの書簡を...」


「ふむ、六人の魂と...12の機械の魂?機械の魂とはなんだ?菅野君、聞いてきてくれないか?」


「中将、面倒なのでエセ神雑魚ごと連れてきてもよろしいでありますか?」


「いいよ、許可する」


「よっしゃぁ!とっちめてやる!」


そういって菅野は走っていった。少し時間がかかるだろうし、帰ってくるまで六人の選定でもしようか。


「紙とペンと机、それから座布団が欲しい」


すると、煙と共にいったものが出てくる。昔こっちに来てからラムネが飲みたくなり、口につぶやいたところラムネが出てきたことで発見したのだ。一か月休暇でいる程度なら、死後の世界も悪くないかもしれんな。


まず、人々を説得せねばならない。補給も必要だしな。アメリカの人間ではなく、枢軸国の人間がいい...と言ったらアドルフ・ヒトラーになってしまうのか。まぁ、ホロコーストを除けばいいやつかもしれんな。入れよう。

次はパイロットだ。まあここはルーデル君と菅野君でいいか。パイロットの中で一番話したことがある人間たちだ。後戦車兵のヴィットマン君も欲しい。そして後は...寺内君がいい。彼は運がいいからな。

そう思いながら書いていると、菅野君がぐったりした一人の娘を引きずってきた。


「少し乱暴が過ぎんかね?菅野君」


「しかし、これで直接お願い脅迫ができますよ、山口中将」


「ほう...では神様とやら、少し説明してもらいましょうか?」


「は、はいい、分かりましたぁ、ごめんなさい!殺さないで!痛いのいやぁぁぁ」


「菅野君、いったい何をしたというのだね?」


「いや、少し愛機の紫電改のアシ着陸脚で頭をぶん殴ったんですよ」


「もはや同情しかできないね。流石デストロイヤー菅野だ。まぁその話は置いておいて、神様とやら、この機械の魂というものを説明していただきたいのですが、よろしいでしょうか?」


ぶるぶると震えている女神の近くには、とてつもない威圧感を持ったにっこりと笑う山口の顔があった。


「き、機械の魂というのはあなたたちが戦争で使っていた兵器の妖精のことです。その子たちの主人、すなわちあなたたちが希望すれば兵器になって戦うことができます。希望されるならいま呼ぶこともできますし、会話だってできます!あと一つ注意ですが、一応触れますけど船と飛行機の妖精だけ女の子でとっても力が弱いのです。強いのは機械本体だけらしいですぅ。ごめんなさい」


「なるほど。ではそれは12の兵器を持っていけるという意味...ちょっと待て、菅野、お前さっき紫電改に乗ったと言っていたな?」


「は、はい。そうでありますが?」


「紫電改を出すとき、最初に何が出た?」


「あ、その、と、とてつもなくおきれいなお嬢様が出てきて、」


「出てきて?」


「思いどおりの品が出てこなかったと勘違いして殴ってしましました...」


「精神注入棒を」


そう山口が言うとと煙と共に黒く文字が塗装されたバットが出てきた。


「ばっかもぉぉぉぉん!」


山口が怒声と共に菅野を追いかけ始める。


「あああああ!すいませぇぇぇぇぇぇん!」


菅野は逃げる、走って逃げる。


その日は二人の大声が天国中に響き渡りましたとさ。つづく。


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2024年9月29日 18:00 毎週 日曜日 18:00

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