第3話

 あたしも黙ってはいない。 「何が気の毒にだか。毎日、公達からの文を片手に説教する父上に誰が同情なんかするのよ!あたしは結婚するなんて、一言もいった覚えなんかないわ!」 「なっ、香子(たかこ)!」

「返事を出さないからって、あたしは結婚する気なんて、さらさらないわよ」

「何を馬鹿なことを。大納言家の姫ともあろう者が十七にもなって、婿の一人もおらぬなど。おまえは恥ずかしくないのか?!」

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