第3話②
第18話
クルサさんに伝えられた、塔の下の階へと到着し、エントランスホールに着いた私は、手招いている唯一の顔見知りの人を見つける。
ベル
「タルティア先生!」
タルティア先生
「ベルさん!おはようございます!あれ?
生徒会長のクルサ君はどうしました?ベルさんのお迎えをお願いしたのですが、、」
ベル
「えっと、それが、、かくかくしかじかで、、」
メリッサさんは副生徒会長で、本当の会長は
クルサさんのようだ。
流れるように嘘をつかれたんだけど、、。
ベルは少しだけ人間不信になりそうになったー。
ーーーー。
そしていよいよ、入学式が始まった。
広いエントランスホールはまるで大きな劇場のようになっていて、新一年生がステージ上に並ぶ形で、うしろから二年生、そして三年生、先生方が座っている。
一学年、300人ほどいて、今この場には合わせて1000人ほど集まっている。
私達より年配の、威厳のある[学園長ジーク]が、新入生の前に立ち、挨拶をする。
学園長ジーク
「新入生の諸君。ご入学、誠におめでとうございます。これから、我が校で共に学び、助けあいながら、貴方方一人一人に、明るく魔法がかかるような未来を我々と一緒に創り上げていきましょう」
学園長の挨拶が終わると、会場の皆が一つにまとまるように、拍手で包まれる。
そして、新入生代表挨拶へと場面が変わるー。
どうしよう。
かなり緊張するのですが!!
もう後戻りはできない状況の中。
学園長ジーク
「では、これより、今年度、我が校の特待生へと選ばれました、新入生代表のベルさんからのスピーチと、魔法発表となります。では、ベルさん、こちらへ」
ベル
「は、、はい!」
呼ばれて返事をして、私は学園長が立つ、同じ台の上へ向かう為の階段を登っていく。
緊張しておかしくなりそうだ。
生徒達の視線が。
先生達の視線が。
一声に私へと注がれる。
何かに助けを求めるように周囲を見渡すけれど、今私を助けてくれるものはどこにも、、。
ない、と思った時。
新入生が並ぶステージから離れた所で、
従者の一人が隣に並ぶ、光を見つけた。
光のような彼。シャインは私をじーと見ながら、
シャイン
「(が·ん·ば·れ·)!」
と、ウィンクをして合図を送ってくれたように見えた。
しかし、彼はウィンクをしたつもりかもしれないのだけど、両目を瞑っていて、なんだかそれが可愛くて、私は少し笑う。
出会って間もないけれど、光のようなこの国の
王子様のおかげで、私の緊張は和らいでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます