第3話①

第17話

入学式で発表するスピーチと、魔法の最終チェックを終えると、時計の針は、タルティア先生から伝えられた朝8時になろうとしていた。



コンコン ーー。



部屋のドアがノックされて、緊張しながらも

私がドアを開くとーー。


??「おっはよー!特待生殿!!私は生徒会長の

”メリッサ“だ!よろしくな!お!君かわいいな!」


 私より、目線が高く、ポニーテールでレモン色の髪をした女性が、元気よく、私に声をかけた。


そして、ぎゅっーーーと彼女に抱きしめられる。

      距離、近くない、、!?


不意に耳元で彼女に囁かれる。


メリッサ

「これから、私が君を、入学式が行われるエントランスホールへと案内するよ。入学式が終わったら、私と2人でお茶でもどうだい?」


ベル「あ、、あぇ、よろしくお願いします!え、、、お、、お茶?」


抱きしめられているという状況を飲み込めず、

かつ、彼女の目が鋭く光っているような気がして、かなりか細い声で返事をしてしまう。


すると、背後から、私からメリッサさんを

剥がす人物が現れる。


??

「おぉい!!てめぇ!メリッサ!!さっさとその子から離れろ!」



私達を剥がし、私の前に立った声の主は、茶髪で眼鏡をかけた男性だった。


メリッサ

「痛いな、クルサ君。君、ここにいるはずじゃないよね?私はこの子と密な関係になる予定なんだよ。そうだよね?」


メリッサさんが私にそう振って、もう一度

私に近付こうとしたところで、“クルサ”と呼ばれる

男性が私を守るように手を広げる。


そして、クルサさんは私に優しい口調で声をかけた。



クルサ

「初めまして、ベルさん。俺は”クルサ“。俺が本当の生徒会長だよ。あいつはメリッサ、、副生徒会長だ。可愛い女子が大好物なやばい女なんだ」



メリッサ

「やばい女とはなんだ!私は可愛い女の子を全力で愛でているだけだ!」


クルサ

「うるせぇ!てめぇこそが、この場にいるはずじゃねぇだろ!さっさと学園長の所に行って、準備を手伝ってこい!」


メリッサ

「全く君はなんてせっかちな奴なんだ、クルサ君。固まって動けない君の代わりに、私がプリンセスベルをお迎えに上がったというのに」


クルサ

「俺を動けなくしたのは、てめぇの魔法だろ!

やっと、土はらってきたんだぞこの野郎!」



目の前で、バトルが繰り広げられている、、。


しかも、怖い、、、。


いつまでも続きそうな2人の喧嘩に、巻き込まれてしまった、、、。


口を挟むこともできず、どうしようと、私が2人の行く末を見ているとクルサさんが私に小声で声をかける。


クルサ

「ベルさん、後ろの窓を出て空を飛びながら、

まっすぐ見える、あの黄の旗が下げられている塔の下の階へ向かうんだ。そこがエントランスホールだ」


ベル

「黄の旗、、」


言われて、窓から外を見て、ちょうどまっすぐ見えるところに学園の紋章が入っている、大きな黄色の旗が下げられている場所がある。



クルサ

「俺がこいつを引き止めている間に、あの場所にいくんだ。こいつは付きまとうとかなりしつこいから、俺が止めておく、さぁ、いくんだ!俺の風魔法で援護するから!」


勢いで言われて、私は窓のすぐ近くに立てかけていたほうきを手にして、またがり、窓から飛び立つ。


メリッサ

「ちょっ!なに話してるんだ!2人共!ベルちゃんは私と、、」



私は、クルサさんが、風魔法で援護する前に。


そして、メリッサさんが、何か言う前に。


ものすごい速さで飛び立ち、空を舞っていた。



私、ほうきに乗るのはけっこう慣れたんですよ。



そんな勢いで飛び出してしまった、私はその後。


クルサ

「すごいな、、あの子。俺が援護する前に、、。いや、あの速さを出しながら、軽々とほうきに乗っていたように見えた、、さすが特待生と言ったところか、、」


メリッサ

「、、あぁ、、ますます好きになった、、」


二人がそんな会話をしていたことを知らない。

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