第2話④

第12話

私は、彼に声を掛けた後、一瞬で話は終わるはずだった。


そのはずが、なぜ?


彼「君、もしかして今、魔法使ってたりする!?すごい魔力を感じるんだ、、!」


なぜ、、、。


キラキラときれーーーいな目を輝かせながら会話してるんだ!

挙動不審だったはずの男子生徒!



どうやら、彼は自分を知っている人に対して

何かの警戒心を持っていたのか、私が全く

彼を知らなかったことで、緊張が解けたようだ。


彼の正体も気になるけど、私には

そんな悠長に話をしている時間はない。


しかも、さっき言ってしまった『綺麗』発言を

自然にスルーされていて、猛烈にこの場から

去りたい。


ベル

「えっと、、あなたが何か困っていそうだったので声をかけたのですが、なんか大丈夫そうですね!ごきげんよう!」


人は、時に強引にならなくてはいけないこともあるのだよ。


そう自分に言い聞かせて、強引に話を切り上げて、私がその場を後にしようとしたけれど、、。


彼「ま、、待ってくれ!」


とっさに腕を軽く掴まれる。


そして、私に少し潤んだ目で彼は言ったのだ。


「お恥ずかしい話だが、この機械の使い方が分からないんだ、、教えてくれないか?」


どうやら、彼は先ほどから券売機の使い方が分からず、何かのギミックだと思い、

お金を入れずに、小声で呪文を唱えながら、メニューが書かれたボタンを、彼なりの計算式?に当てはめて、押していたらしい。


なんだそれ、面白いな!?


そして、今度は私が思わず笑ってしまったのだった。

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