第2話②

第10話

《王立クレアスカイ学園:3階

          :cook rest(学食エリア)》


ベル「や、、やっと着いた、、!それにしてもこの学園広いっ、、!はぁ、、はぁ、、でも、すごくいい匂いがする、、!」


 王立クレアスカイ学園は、とにかく広い。

どのくらいかというと、案内された2階の寮から、

3階の学食エリア〈通称:cook rest〉に辿り着くまで、持久走をしていたかのよう。


 甘く見ていましたぜ、、この学園の地図を。

なかなか手強いぜ、、こ·の·が·く·え·ん·の·ち·ず!


、、、私は決して方向音痴ではないのですよ?

(↑本当に?)


 エリアごとに廊下がどこまでも続いていて、様々な部屋が並んでいる。


学園に着いてからすぐに、


「では、ざっと案内をさせていただきますね〜」


と、タルティア先生は学園内の案内をしてくれたのだ。


この学園は5階建ての構造で、


{一階: エントランスホール&

     魔法学授業:実技エリア:each


二階:寮エリア:pease


三階:学食エリア:cook rest


四階:生徒ワークエリア:lively


五階:魔法学授業:座学エリア:time  }


になっている。


それぞれエリアごとに、名称がついているのだ。



学園に来た、初日。


実はまだ、タルティア先生以外の先生と、生徒達との交流はない。


 正式に、学園長及び生徒達と初めて顔を合わせることになるのは、明日の入学式だ。


タルティア先生

『明日の朝8時にベルさんの寮部屋に、

現学園生徒会長が迎えに行く手筈になっていますので、それまでは学園内を自由に過ごしてください』


と伝えられ、学園内の学食エリアで使うお金として、この世界のお金の※銅貨4枚を頂いたのだ。

(※約2000円)


ママが持たせてくれたお金があったのだけど、

『これは学園からなので、使ってください』との

ことで、ありがたく受け取ることにした。



 そして私が、なんとか学食エリアに辿り着いた現在の時刻はなんと、、


ベル「あ、、もう19時なのか、、、」


 思ったよりも、寮の部屋内で停止していた私。

その長さを時計の針が表している。


だって、だって、なんかプレッシャーに負けそうで、、いやすでにちょっと負けてる、、?


、、気を取り直してベル!

明日に備えてご飯を食べるわよ!


ネガティブな気持ちを切り替えて、

注文するカウンターへと向かうことにする。


 この学食エリア”cook rest“は24時間営業で、いつでも利用可能とのこと。



先生や生徒達の為にイートインスペースは

すごく広い構造になっている。

何かのコンサートステージのような広さと席数だ。


また、このエリア内で買った学食は寮部屋に

持ち帰り、食事することも可能らしい。



、、、もちろん私は持ち帰りをします。


ーーーーーーーーー


《学食エリアに着く前》


先程、部屋から出た時は、危ないところだった。

学園内で少しだけ、、(←※かなり)目立っていることを忘れていた噂の特待生(=私)は、

ベルの姿のまま部屋を出て、歩いてすぐに


「いや、、あの子っぽいよな?話しかけようぜ!!」


「おぉい!そこの女子!」


と、少し怖そうな男子生徒2人組に追いかけられ、

とっさに


ベル「と、、トランスペアレント!!」


と、透明になる魔法で逃げ切ったのだ。

勢いで逃げ切ったのでその後の2人の反応は分からない。


 学園に入学する前に、自宅にあった魔導書を読んで、いざとなった時に使える魔法を覚えていた私を盛大に褒める。


さすが、私!!

えらすぎる、私!!


魔法を覚えるのは楽しいので、これからも

たくさん覚えていきたい。


ーーーーーーー


※上級魔法に、容姿を変える魔法というがある。

(※扱うことの難しい魔法)

 この、上級魔法は自身の魔力と属性の付与をして発動する魔法だ。


 男子生徒から逃げていた時に、魔導書の中からこの魔法のことをふと思い出した私は、

試しに使ってみたのだ。


「ダーク·グレント·ミラー、、チェンジ!」


正直、発動するかどうかは運だったが、、。


付与した属性は、闇属性。

私が一瞬にして、真っ黒に染まる。


廊下の窓ガラスに反射した自分を見て、驚く。

髪色も目の色も黒く、噂の特待生の面影はない。


奇跡的に魔法が成功したのだが、、感覚で分かる。魔力が削られる感覚、、魔力操作がうまく

できていないのかも、、?



 “これは、あと少しで解けてしまう!!”




魔道書に上級魔法と書かれていた為、今は使うことはないだろうと思っていた。


 それに、入学式で発表する魔法を猛練習していたのもあるし、魔導書の中からしっかりと覚えた魔法は、さっき使った透明になる魔法だけだった。


私のミッション。



☆急いで、学食を注文し、すみやかに寮部屋に帰ること!



元の姿に戻れば、また、誰からともなく

追いかけられるかもしれない。


自意識過剰でもいい、、。だって、来たときから

声をかけたり追いかけたりしてくる人の目が

怖いのです。


今夜は、明日に備えて早く寝たいのだ。

あ、、明日からちゃんと人付き合いするからぁぁああ、、!


ーーーーー


 ということで、変身し、闇属性の女生徒

となった私は、なんとか、学食エリアのカウンターへと到着。


学食エリア内にある券売機から、券を購入し、

カウンターに出す仕組みだ。


学食の種類はとても豊富で、券売機の数もすごい。端から端まで並んでいる。


おっ、オムライスがある!やったぁ!

トマトスープの付きセットにしようかな。


、、、ママが作ってくれたトマトスープまた食べたいなぁ。

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