第2話《入学前夜》

第9話

『クレアスカイ王国』


 魔法が栄えるこの国には、優秀な魔法使いが 数多に存在する。


 魔法には、未だ解明されていない、不可思議な現象もたくさんあるが、大抵は、その個人が

持つ魔力、そして属性を持って成立する。


 そして、そんな魔法について、この世界ではこう呼び、知識を経ていくのだ。

        ”魔法学“。


魔法学は、様々なジャンルに分けられている。

攻撃魔法、治癒魔法、家庭魔法。


個人が持つ属性だけが使える、属性魔法。


特定の生物を呼び寄せる、召喚魔法、などなど。


 そんな基本的な魔法を含め、優れた魔法を扱うことができる者たちが、この学園にやって来る。


 この国で入学が極めて難しいと言われている、

王立クレアスカイ学園。


新入生の中から、たった一人だけ選出される

        “特待生”。


ましてや、推薦入学というのは、かなりの特例。


 そして、なぜか入学前に、とても細かく

噂されている、その注目の特待生は今  ーー。



ーーーーー。



ベル「もう、すでに帰りたい、、、」



ホームシックになっていた。



案内された寮の一室で、部屋の隅に膝を丸めながら、もう何時間もこうしていると。


ふと、脳内に、私の中の天使と悪魔が現れ始めた。


【天使の私】

「ちょっと、ベル!暗い気持ちで居てどうするの!明日の入学式の準備は終わったの?明るい学園生活の始まりの鐘は、もう鳴っているわ!現在進行形でね!さぁ!Stand Up!」


 なぜか少しメルヘンチックな天使の私が、応援してくれている。


と、すかさず悪魔の私も口を挟む。


【悪魔の私】

「いやいや、天使はんの言うことは聞きなさんな。ええか?このまま夜が更けってまでこうしてようや。大丈夫。大丈夫。さぁ、このまま寢んといて、さっき学園内で見たなんや美味しそうなもん買うてきて夜食タイムや!」


 なぜか私の知っている悪魔のイメージとはかけ離れているキャラの悪魔が、私を食べ物で誘惑する。


うん、、、。


とりあえず、お腹が空いたので、なにか食べますっ!


気持ちを切り替えると、脳内に居た天使と悪魔は

すぅーっと一言だけ残して消えていく。


【天使の私】「明るい未来はすでに見えるのよーーーー」


【悪魔の私】「たくさん食べるんやでーーーー」



さよなら、私の中の天使さんと悪魔さん。

君たちは優しいね。またね、、、。

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