第二章「入学」

第8話

「ねぇねぇ、聞いた?今年の特待生ね、前から噂されてた“シャイン”様じゃないらしいよ!」


「嘘!?絶対シャイン様だと思ってた!じゃあまさか”チェノル”様だったり!?それとも、

”ミエル“様!?」


「それがね、、なんと、、あっ、、ほら!!」 


「え、、まさか、、あれが”噂“の、、!!?」


情報網の速い人は、一体どこから、情報というものを得ているのだろう。


私は思うよ。その情報は、綺麗な情報なのかい?

ってね。


さてさて、今日は実に晴れているね。

春先なのに、暑いくらいだよ。


え、、?さっきからごちゃごちゃ言っているけど、あなたは誰かって?

やだな読者様、、。



、、、、、、、。


ベルです。 


、、、脳内だから許して!!

私の弱音を許して!!

なんかさっきまでと喋り方違うって思っても

見逃してください!


皆様、私はいよいよ、王立クレアスカイ学園へと

入学する当日となりました。


先程、使いに来てくれた方は言ったのです。


       ーーー


《数時間前》



使いの者「ベル様、、ですね。私は王立クレアスカイ学園で教師をしております、タルティアと申します。教科は家庭魔法担当です」


タルティアと名乗ったその先生は、とても優しい顔立ちの男性だった。


ベル「よろしくお願いします!ベルと申します!」


ママ「娘をどうか、よろしくお願いいたします。ベルちゃん、無理せずに、身体に気を付けてね、いってらっしゃい」


ベル「ママ、ありがとう!休暇に戻ってくるからね!」


 少し泣き腫れていた顔を隠しながらも、笑顔で私を見送ってくれたママと別れ、私は迎えに来てくれたタルティア先生と共に、この我が家を跡にした。


受け取った制服に身を包んで、いよいよこの日が来たのだと実感する。


そして、学園の制服可愛い、、モチべ上がる!!と感動する。


それから、学園からの使いのタルティア先生と共に、私はほうきに乗って学園へと向かう。


道中、何気ない会話をしながらも、私は心穏やで、ほうきにもだいぶ乗り慣れて、とてもいい感じに学園へと近付いていた。


そう ー。


タルティア先生からの“ある話”を耳にするまでは。 



タルティア「そういえば最近ですね、生徒達が噂しているんですよ、、あ、、でもなぁ、ベルさんに言ってもいいのかな、、」


ベル「噂、、ですか?、まさか、なにか良くない噂ですか!?」


まさか、入学前に私の悪い噂が流れていて、入学したばかりなのに、すでにどこにも居場所がないパターンの学園生活ルートですか!?


落ちついて、私!

STOP!ネガティブ思考!


急にだらだらと冷や汗が出てきた私を見て、先生はすぐに付け足して言った。


タルティア「あ!いえいえ!!すみません、違うんです、悪い噂では全くなくて!その逆。真逆なんですよ」


ベル「ま、真逆、、?」


タルティア「我が校の“特待生”は、毎年新入生を含め、二、三年生の注目を集める存在なんですよ。最初の、入学式までは、皆予想をして、楽しみにしているんです。」


、、、、。


タルティア

「今年度は、王族の”シャイン“第一王子が特待生なのでは?と、多くの生徒が噂していたのですよ」


タルティア

「我々学園側は、入学してくる生徒達の身の安全とプライバシーは守るように動いていますが、つい先日、

“今年度の特待生はベルという天才魔法使いだ”

という噂が広がり始めてしまいまして」 


ベル「え、、。」


タルティア

「”ベルはとても可愛らしい少女だ“など、、。」


ベル「!?」


ん!?え!?


タルティア「なんだか、、すみません、、。流れている噂が、褒められたものばかりで、噂を断とうにも断てず、、。結局どこから広まった噂なのかを特定できず申し訳ないです」 


ーーーーー。


《現在》


「お!お前、あの子じゃね?“噂”の特待生って!」


「本当だ!!なんかあの子っぽいな!あれ、、でも噂より顔、貫禄出てないか、、?」



私は噂されていたのである。


噂の特待生。


『淡いピンク髪で美しい水色の二重の瞳のとても可愛らしい身長約160cmの魔法の大天才少女』


ねぇ!ツッコんでいいですか!?


誰!?こんな細かくて、ハードルあげた噂を広めた奴!?


しかもなんか詳細がすごく細かくないですか!?タルティア先生から聞いたのより、なんか違くない!?


なんでこんな容姿を、、知っているのだろう。え、、身長まで、、?しかも魔法の天才少女に、”大“がついているよ、ねぇ!?


ごめんなさい。顔に貫禄が出ていても、これは

不可抗力です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る