第1話④

第6話

異世界に来て、2日目 ー。

今日から、本格的な魔法練習に入ります!

、、っと、その前に。


ベル「魔力測定?」


 ママ「そう!今のベルちゃんの魔力を測って、それに見合う魔法を練習しようと思うの。ほら、魔法の発表もあるからね!」


そうだった、、。私には、荷が重い一年生代表

スピーチと、魔法の発表があるのだ。

逃げたい、、。


 ベル「たしかに、、。魔力を測ってもらえたら、どのくらいの魔法が扱いやすいのか分かるね!ママ、ありがとう!」


 ママ「いえいえ〜♪それではさっそく測りましょうか。本来は、魔力測定専用の特別な水晶で測るのだけど、ママの魔法は簡易的なものになるから、少しのズレがあるかもしれないわ」


そう言って、ママは目を閉じて呪文を唱える。


 ママ「プラズマ·ウェイユ―マジックパワー」


ママの呪文に反応して、私の体が淡く光り始める。

そして、測定が終了したのか。

ママは目を開けてから、息を吐き、口を開くー。


ママ「ベルちゃん、やっぱり、、、」


   “『魔力量がかなり多いわね』”



 私の魔力の数値は、約“10000値”らしい。通常だと、3000値ほどで、多くても7000値ほどだという。

あれ、、すごく多いよね、、!?

 生まれ持った魔力量は、歳を重ねると増えることもあるらしいのだけど、そこまで大幅に変わることはめったにないらしい。

そして、ママいわく、私はー。


ベル「魔法の天才!?」


ママ「ええ。ベルちゃんはどんな魔法でも、うまく使いこなしていたわ。魔力量もそうだけど、魔法に愛されたのね。あの人のようにー。」


 ママがどこか悲しみを含めた、焦がれるような、懐かしい眼差しで言うので、私は思わず聞いてしまう。


ベル「あの人って、、?」


ママ「、、ベルちゃんと同じくらい大好きな、、あなたのお父さんよ」



 お父さん―。そう言われてみると。ママのこともまだ詳しくは知れていないけれど。


父親のことは、もっと知らなかった。

そういえば、自宅に飾ってあったどの写真にも、

ママと私の写真がほとんどで、父親らしき人が

見当たらなかった気がする。


 ベル「お父さんは、今どこにいるの?」

 

思わず、直球に聞いてしまったけれどー。


ママは、優しく答えてくれた。


 ママ「、、、私もどこにいるか分からないの。ベルちゃんが5歳になったばかりの頃だったかしら、、突然家に帰ってこなくなってね。それから約10年。何の音沙汰もないの」


でもね、とママは続ける。


ママ「私は彼を信じてる。待ってる。ずっと、愛してるから」


 そう言ったママは、いつもの優しい雰囲気ではなくて。強い意志を持った、とてもかっこいい

一人の女性だった。




 いつか、ママとお父さんの出会いも聞きたいな。

この話の流れで、聞きたいとも思ったけれど、

ママから、”ママとお父さんのラブストーリーは長いからまた今度ね“と言われ、今は自分のことに

集中する。


 とりあえず、魔力があっても、使いこなせなければ意味がない。


自分の魔力量を理解して、使う魔法を、自分のものにすること。

それが重要なポイントだ。


 それから、【魔法の属性】に関して、改めて大切なことをママから教えてもらった。


 ママ「火、水、風、土、雷が、いわゆる魔法の五代属性なの。その他にも、珍しいけれど、氷や毒、闇、無属性、、などなど。様々な属性があるのよ」


ちなみに、ベルちゃんはー、とママは続ける。


ママ「ベルちゃんは本来、“光属性”よ。けれど、ベルちゃんは、生まれた時から様々な属性の魔法を使えていたの。もしかしたら、“光属性以外”の可能性も考えたのだけど、、。”属性判定魔法”の結果は、何度やっても”光”だったのよね」


 ママは、そう私に説明してくれた。

そうか、私は”光属性“なのか。


 ちなみにママは、雷属性で、父の属性は、

光属性だという。

 そして本来、私や、父のように自分の属性以外の魔法を使うことのできる人は極めて、稀だという。

 ちなみに、父は今の私よりもたくさんの、様々な属性の魔法を、どれも上手く使いこなしていたらしい。

 ママは私を魔法の天才と言ってくれたけど。


もしかしたら父は、飛び抜けた魔法の天才なのかもしれない。




そして、魔法を扱う時に。

自分の“杖”をかざしながら、

呪文として、”属性の言霊(ことだま)“を唱えなければならないという。


 魔法使いが使う“杖”は、大体の場合、自分の属性に合ったものを魔道具店で購入するか、オーダーメイドで注文するのだという。

 もしくは、なかなかに魔力を消費し、時間を要するが、自分で杖を製作する魔法使いもいるという。


(私とママの杖や魔法箒は、お父さんが作ったという。お父さんすごいな、、、?)


 ママ「例えばね、ママは雷属性だから、属性の

言霊は”プラズマ”なの。火属性ならファイア、水属性ならウォーター、風属性ならウィンド、などなどよ」


 ママ「杖と属性の言霊を唱えないと、基本的な魔法は発動しないの。でも、もちろん、例外はあってね。”念じる”、”祈る”、”特別な魔法陣を使う“ことなどで発動する、限定された魔法もたくさんあるの」


 覚悟していたつもりだけど、“魔法”というものは、これからたくさん勉強していかないと身につかない知識ばかりだ。


『頭が痛い!!勉強苦手!!私は逃げます!!

あとはよろしく!!』


と、叫んで、全力で逃げ出したかったのは

少し、、少しだけ思ったことなんだけど。


魔法の事を知る時。魔法を使っている時は

なんだか心地よくて。


 この異世界で生きていく為にって気持ちももちろんあるけれど。



 私は、学園の使いが来るまでの残りの5日間。

ちゃんと真剣に、時々(←※ではない)しっかりと休みながら。

(優しいママに甘えて、

おやつの時間を少しだけ(←※たくさん)作ってもらって、、。クッキー、、チョコレートケーキ、、シューク、、、ぎゅゅうぅむ。

、、、、。



失礼しました。



シュークリーム!(効果音:キリッ(take2))

ママに魔法を教わり、、、。

違和感のないように、魔法を使う感覚を、身に着けていったのだった。

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