第1話②

第4話

この庭を散策するのは後にして、私には

今、重大な問題がある。


7日後に、王立クレアスカイ学園へと入学するのだ。


 この世界にもそうだが、“魔法”というものにも、慣れなければならない。



ママ「では、ベルちゃん。さっそくだけどまずは空を飛ぶ魔法からやってみましょう」



ママは持ってきた2本のほうきのうち、

沢山のリボンが巻き付いた、とても可愛いほうきを私に渡してくれた。



ベル「このほうき、すごく可愛いね」


 ママ「ベルちゃんの、一番お気に入りのほうきを持ってきてみました〜!」


そう笑いかけてから、ママは続ける。


 ママ「まず、ほうきにまたがったら、魔力を手の平に込めて、そして全身にその魔力を巡らせる為に、意識を集中するの」


 ママ「魔法箒(まほうほうき)には、命が宿っているの。ほうきに乗りたいという心を持つ者に、ほうきが応えてくれるの」



ママ「魔力を込めることも大切だけれど、気持ちもとても大切なの。」



 ママはほうきにまたがって、二階の窓の高さまで飛び、そのままくるくると家の周りを一周して、軽々と乗ってみせた。


ママが言っていたように、ほうきに命が宿っているというのは本当のようだ。


ママが乗ったとき、ほうきはママに応えて、嬉しそうに空へ浮かびあがったように見えたのだ。



ベル「私もやってみる、、!」


ママに倣(なら)って、私もほうきに足をかける。

あなたに乗せてー。

そう、想いを込めて。


次の瞬間、ママも、そして私ですら驚くことが起きてしまう。 


ほうきに乗って、空を飛べた!と思った時 ー。


ベル「やったぁ!!!飛べた!!、、、ん?、あれ?ちょっ、、!っ高い!!高いぃぃい!!!!!!」



私が乗ったほうきは、先程、庭で見た空まで伸びていた草花を高く飛び越えていた。


ベルちゃあぁーーーん!!と、


ママの声が下からかすかに聞こえる。

私は悲鳴を上げながら、そのまま雲まで掴めそうな位置まで飛び上がる。


高すぎるって!!


思わず下をみたら、ママも家もとっくに見えなくなっていた。


 そしてあまりの高さに、あ、私もう死んでしまって、ここはお空の上の世界なんだわっ!

なんて、とても危ない思考になりかけた時 ー。



??「お主、人の子か?」



と、私はいよいよ神様の声を聴いてしまったらしい。

しかし、その姿を見て、さらに驚く。

声の主は、とても大きな翼を持ち、赤い瞳の黒い龍だったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る