第76話
「桃屋! 携帯に画像送っておいたぞ」
「あぁ、ありがとうございます」
席に座るなり犬神が満面の笑み浮かべ、頼んでおいた愛犬の画像を送ったことをわざわざ教えてくれる。
一応、携帯電話を確認してファイルで送られて来ていることを確認して犬神に笑顔を返す。
――こんなに携帯の容量を潰してくるとは、予想内か。
頼んだのは自分なのだが若干、迷惑なのは否めない。これも銀を知るためなら仕方がないと携帯をしまう。
家に帰る楽しみがあると仕事も頑張れるが、今日は志帆が銀と会いたがっているのでモフモフの出迎えもブラッシングすらも難しいかな。
「何考えてるんすか? あっ、俺とのデートとか?」
「そうね……猿ちゃんと回転してない寿司屋でウニとえんがわ食べ尽くすとか考えてた」
人をからかって軽口ばかり叩く猿谷に、意地悪い笑み浮かべてわざとらしく「デート楽しみ」と付け加えると、猿谷はそれこそギョッとした表情を浮かべて慌てだした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます