第74話
「なんか、私のほうが先に音を上げそうな気がしないでもないけど……」
「別れたばっかりで、実にはあの軽い猿谷君のノリは精神的に辛いかもね。それはそうと、新しい男がもういるって博之が喚いてたのって本当?」
「あぁ、狼男を拾ったの」
「はっ?! 本当に新しい彼氏が出来たの? イタチから狼に変更か……」
毎度、動物に例えて話すことが多いので狼男だと言っても志帆がそこに驚くことはない。
――今回はたとえではなく、本物の狼男なんだけどね
ポーチに歯ブラシをしまいながら一応、彼氏の部分だけは否定しておく。
「彼氏じゃなくて同居人? 家事全般をお願いしてるの」
「変な男ってことは無いと思うけど……大丈夫その人?」
別れて間もないのに新しい男と同居となれば心配するのは当然の反応だろう。
――正直、大丈夫かはまだ不明。そもそも人間ではないし
けれど、あのモフモフを前にして人間かどうかなど些細な問題で、むしろ人間じゃないからこそ魅力的なのだ。
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