第35話
「明日は、6時に起こしてね。朝食は食べるからよろしく」
「分かった。朝は軽めでいいんだろ?」
苦めに淹れた珈琲を飲みながら明日の予定をさっそく言われる。家賃の代わりだから文句は言えないしな。
夜は何も気にせずにグッスリ眠れるなら少々の早起きは苦にならない。
「食パンと飲み物でいいよ。それと寝る場所は此処ね。仕切りを閉めれば部屋になるから」
ダイニングキッチンと続きになっている洋室。独立したもう一部屋は実が使っている。
実は珈琲をテーブルに置くと洋室にある物置に向かい、扉を開けた。
「布団はあるんだけど……圧縮されてる。干してないから今日もソファーの方がいいかもよ? 犬の姿なら窮屈じゃないでしょ?」
「なぁ、俺は狼! 犬じゃない」
ヘラリと笑いながら言う実に訂正する。人の世界で暮らすには不便もあるが、狼であることに誇りを持っている。
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